2015/11/25

◎サプリ食い 放射線浴び がん退治

にしても、拠所なく始めた肺がんの素人療法、1カ月たった今、特にサプリメントが残り少なくなって、さて買い増すか、はたまた他に変えてみようか、NETサーフィンで目を凝らしてみたものの、魑魅魍魎の世界、わかってはいたが、いやはやこれほどとは・・・。葵の印籠というか、これといったお墨付きがないので、文字通り夢幻の如くなり、だ。ああ言えばこう言う、こう言えばああ言う・・・で、何でもあり、言いっ放しの世界だ。この分野ではよく知られた「メシマコブ」など2000円前後から10万円を超すような`逸品`まで、あくまで医薬品ではなく「食品」として販売しているわけで、ねぇ。かつて厚生省で教わった化粧品の定義「効果なく、害もない」を思い出すよ。だから、結局は、イメージで選ぶっきゃないわけで、ねぇ。と、バカバカしくてやめたくなるのだが、それでは本当に「何もしない」ことになって、何とももどかしく不安に苛まれそうだ。だから、何でもいいから、藁にも縋る思いで何か飲んでいたい。飲んでいれば何となく気が紛れるだろうというわけ、だ。で、「メシマコブ」はやめ、ちょっと高いかなと思ったが、あれこれ効きそうなドリンクタイプを発注(@500円×30本)し、ボトルのラベルを確かめたら、やはり「清涼飲料水」とあった。
ラジウムを使用したグッズ類もわんさとあって、ラジウム鉱石の粉砕袋は毎晩胸に載せ、もう一つは枕に敷いて寝てはいるものの、効果があるのかどうか、何の反応もなく、何とも心もとない。ならばと、高純度ゲルマニウム入り低反発敷パットとゲルマソックスをゲットしてみたものの本当に放射線が出ているのかも心もとなく、NETで検索したら、ちゃんと家庭用放射線測定器「エアカウンター 」なんてものもあって、その中から安価なタイプを購入して、放射線量を測ってみたが、さて、はて、なんとも説得力に乏しい数値が表示されたのだが、その測定器自体の信頼性はどうなのか、疑い始めたらきりがない。
やっぱり全ては自己責任、そんな世の中になってしまったようだ。

2015/11/20

◎甘臭い 部屋に篭もれり 舞茸屁

にしても、NET情報を元に始めた舞茸とゲルマ二ウム療法は、効果があるのか。漠としてつかみどころがないものの、やっとこの療法にも慣れてきて、日常生活は声がれ前の状態に戻った。声がれは古孤老の生活にとってハンデにはならず、淡々と食って、寝てを繰り返している。時に、酷く咳き込むことも。まっ、こんな塩梅・・・。
☆舞茸が、結構旨い。歯応えもあり、豆腐や厚揚げ、がんもなどと一緒に煮ても、焼いても、蒸しても、旨い。時に、しゃぶしゃぶ牛のような食感になることもある。ウフッ、知らなんだ。
☆糞、どっさり。舞茸メインで、肉はもちろん、野菜、豆腐中心でさしたるものも食っていないのに、なぜ・・・だ。ちょい驚いた。
☆喉頭あたりに痰の保管庫が出来上がりそうな感覚あり。ヘビースモーカー時代の20年ほど前、痰の引っかかり処がストンと落下した感覚があり、実はその後、痰が出たことはない。それが今回の騒動で、咳止め薬を服用しているうちに何となく、痰が出そうな感覚に何度かなって、そのうち何度かは、痰になる前の唾状の液体を押し出した。
☆メシマコブなどサプリメントの飲む量が多い。一日一回、合計14錠、はねぇ。腹がパンパンになる感じがする。時間を分散して飲もうとすると、忘れてしまうんだよなぁ。一度にまとめて飲まないと・・・。
☆恐る恐る3週間ぶりのG、要介護状態とはいえ、何にしても、逝けてよかった。事後息がしばし乱れた、ヨ。肺がんだ、なんだかんだ言っても、結局、行き着くところはこれっきゃないんだよなぁ。生を確認できる唯一の行為や。
☆クローゼットの奥に固めておいたスーツ6着、廃棄処分。一度は、大々的に処分したのに、まだこんなに溜め込んでいたとは、これも未練か、と呆れた。
☆このところすっかりご無沙汰のテレビの録画、どうしたことか、一挙に4本もセット。コレクター復活か。再生して見るなんて想定に入っていないもんねぇ。要は、コレクター、よ。コレクターのコレクターたるゆえん。セットするだけで満足・・・なのよ。


2015/11/13

◎肺がんや 医師の手離れ 自然体

にしても、これが最後の診察になるかと思うと、いささか緊張して診察室に入った。「気持ちはもう決まりました? もう何もしないよ、と」。開口一番、医師はそういって迎えてくれた。あれこれ、グズグズいうんじゃかなわないよなぁと思っていただけに救われた感じだ。間髪入れず「舞茸と岩盤浴、ゲルマニウム・・・始めています」と応じ、肺がん診察は終わった。11月10日のこと。
「病院は治療が前提になりますので」といいながら、こんな例え話も。学校の先生に勉強しなくてもいいですかと聞いて、「いいよ」とはいえないでしょう? 病院に行くっていうことはそういうことなんです。自由にいきたいけれど自由にいかない、と。
で、今後についてアドバイスしてくれた。ホスピスに入院するといっても簡単じゃない。その前段階に色々、手順がいるんです。ホスピスと連携している緩和(ケア)科というのがあり、そこに通って医師と話をして関係づくりをしたうえで、色々決めていくそうだ。緩和科とは初めて耳にする言葉だ。自宅の近くでは、東芝病院があるという。そのへんはソーシャルワーカーと相談してくださいとバトンタッチされ、最後に「お大事に・・・、お力になれなくて申し訳ないです」と頭を下げられた。
ソーシャルワーカーだという看護師長とは事務的な話ながら「いまは一人で不自由ないそうですが、この症状、それが出来なくなるっていうのは、徐々にではなく、突然来るんです。我慢しないで、ちょっと心配だなとなったら、すぐご相談下さい」といわれた。また、NETで東芝病院にアクセスし緩和ケアを調べたら、「治療を希望せずに自然体でがんと向き合っている患者さん」が対象とあった。

病院を後にして、自転車のペタルを踏みながら、糸が切れた凧のような気がしていた。朝起きた時から何か獏とした不安感に見舞われ、焦燥感に囚われていたのに、一気にそれらが吹っ飛んだのだ。自由、勝手気侭で気楽なカメに戻れた気がした。


2015/11/08

◎舞茸に 余命託して 立冬か

にしても、何もしないよりはと始めた民間療法、2週間近くたって、何か変化はあったのか、効果は果たして・・・。まっ、肺がんが消えてなくなることはないだろうが、一応声の掠れ度を尺度にしてみたが、成果はまだ・・・。
まず、NETに「肺がん」と入力してヒットしたブログに全面的に頼った。
「末期がんを免疫療法で克服」というブログ。筆者は元・工業デザイナーで、「私はかつて、余命1年の末期肺ガンと宣告されました。つまり、治らないのです。副作用のある化学療法を選択せずに、敢えて免疫療法を試そうと思い、新しい視点で免疫力を見直し、完治に成功しました」とあり、使用したグッズ類も紹介していた。がん関連のブログや情報サイトは辟易するほどあるなか、早期に説得力があり、淡々と簡潔にまとめたサイトにアクセスできたのはラッキーだったと思う。
そうした情報をもとにゲットしたグッズは写真にアップした。
なかで最も高価だったのが「お利口さん」大小セット(¥48,600)。天然ラジウム鉱石を粉末にし、ゲル状物質に混ぜたもので、岩盤浴のハンディ版といったところ。放射線量は自然界の100倍位だったか。病院の治療で使用する線量はこれよりどの程度丸が多いのか。治療の方法としては同じだろう。とりあえず、胸の中心部(肺と肺の間)にこれを胸ベルトで巻きつけている。線量が少ない分、長時間照射で補っているつもりだ。
体内にプラス静電気を発し血行を促進するという放電灸。スーパーで使うビニール袋、指を湿らせないと開けなかったのに簡単に開き、単純明快に結果が出た。
韓国で評判というメシマコブを筆頭にアガリクスなど免疫力を活性化させるという椎茸サプリと舞茸、どれの効果なのか、複合なのか、2日目あたりから太く長く茶色の糞が出るようになった。食事は脱炭水化物、脱肉類に徹していて、よくぞこんなに出るものよと呆れるほどの量だ。
で、ある日の献立はこんな塩梅・・・。
[朝]舞茸豆腐しじみ汁、飲むヨーグルト
[昼]舞茸バタ焼き+若芽ひじき、ガンモ旨煮、MIXサラダ煮豆
[夜]舞茸天そば+若芽ひじき、厚揚げ旨煮、くるみ小女子


2015/11/04

◎衣替え 仕舞う夏物 着るのかな

にしても、ちょっとブレイクタイムが欲しくなった。重いテーマにがんじがらめになって、いささか疲れたヨ・・・なんてダラけていたら、かつて在籍した会社の後輩からメールを頂いた。`中締め`にもってこいかと、勝手ながら紹介させていただく・・・。
「ときどきブログを読んでいますが、大丈夫ですか。確かに、何もしない選択肢もあると思いますが、手術を拒否するんですか」
 「確かに、手術を受けて寝たきりになってしまったら、日々の生活(療養生活)はどうなるのか・・・とか、考えたら、いろいろなことが頭に浮かぶのでしょうね。わたしは、どうすべきだとはアドバイスする立場にないし、何をどうアドバイスすればいいのかもわかりませんが、とにかく気にかけています」
「セレブな女性(セフレ?)とタイに一緒に行って、いい思いをしていたのに、とんだアクシデントですね。病気をアクシデントと言っては悪いけれど、カメさんにとっては、やはりアクシデントという感じではないかと、勝手に想像しています」

外道に外れた先輩を忘れず、気遣っていただき、何とも有りがたく、嬉しいメールだ。でも、いきなりの「手術を拒否」には驚いた。ブログで言葉足らずだったのか、肺がんの手術は拒否していないので、それを伝えたくて、メールをこう
返信した。
医者の診断では、がんが進行していて「手術は難しい」、また、リンパ節への転移(PET検査)も多く見られるので、「悪くなる時期を遅らせ元気な時期を伸ばす目的で、抗がん剤と放射線治療(6週間入院)をやりたい・・・」と提案され、それを断ったというもので、これは手術ではなく治療です。また、この治療は手術後にも行われます。
声が掠れる他は何ら日常生活に不自由していないのに「なぜ」というわけです。それに、苦しまず、痛くなければ、いつ逝ってもいい72歳だし、6週間の入院治療を受けた結果と何もしないで過ごした結果と、余生にどれほどの差があるのか、そんな心情の変遷もアップしていきますので、気が向いたら、また覗いてみてください。更新が途絶えていたら「逝ったか」と呟いてください。ウフッ。

2015/11/02

◎目覚めては 嬉し悲しや ふと思う

にしても、肺がん宣告を受けて以来、改めて長生きしたものよのぅと慨嘆している。ついタラレバも出てくる。特に、カラオケで長時間熱唱していなければ、喉の不具合は出てこなかったのに、と悔やんでみたりもする。でも、しょうがない。
もはや、72歳。身体の現状を眺めてみると、声帯の掠れの他さほど不具合は見当たらない。他に、食事して体温が上がった際など、時折、咳き込むことか。炊事、洗濯、掃除と独りで日常生活は何不自由なく過ごしている。そんな状態で、医者が勧めるように入院してまで放射線とか抗がん剤の治療を受ける必然性はあるのか。その結果はどうなのか。どの程度期待できるのか。副作用による不具合はよく聞く。それは何とも怖い。また、肺がんを放ったらかして、「何もしない」選択肢との差はあるのか。
群盲像を撫ぜる状況のなか、ミーハーかもしれないが、民間療法に興味が湧いた。この先、やりたいことも、やらなければならない事も一切ないのだから、試してみるのも一興だろう。何もしないより気も紛れていいだろうとも。NETで見つけたブログ、余命1年の末期肺ガンと宣告された工業デザイナーだった方が、副作用のある化学療法を選択せず、免疫療法を試し完治したという闘病記、使用したグッズ類も具体的に紹介していて、さて、はて・・・。

2015/10/24

◎生き死には しょうがないの 積み重ね

にしても、歴史に「タラ、レバ」とか「もし」は禁じ手だが、今回の肺ガン検査で強く感じるのは、長生きし過ぎた事だ。くも膜下で倒れ戻って来た時、オヤジの歳を超えた時、古希を迎えた時・・・等々、その時々に年齢に氣づき、長生きしたものだと思うとともに、もういいのにと心中密かに思ったものだ。かつては長いことヘビースモーカーだったし、その祟りかと思わなくもないが、それにしても長生きしたものだと感慨深くはある。
その検査結果、医師は「残念ながら」と前置きして「ガン細胞がとれました。だから、肺ガン・・・」。続けて「内視鏡で撮った画像を見ますか。左の上の肺のとこ、かなり変形している」タイで売られているたばこのパッケージの写真と一緒だ。爛れも見られエゲツないのだが、自分の肺だとは実感しかねる。「で、手術は難しい」との結論に達したそうだ。とはいわれても、他人事のように聞こえる。医師はこう提案した。
「治すことはできないけれども、悪くなる時期を遅らせて、元気な時期を伸ばすという意味で、6週間の(入院)治療をやりたい。抗がん剤と放射線・・・」
いろいろ説明を聞きながら、「何もしない」選択肢の一つとして民間療法に関心があると話した。前日、セレブ熟女とランチした時、ガンで入院した母親を看取った際の体験を聞いていた。何もしないよりは、気も紛れていいだろう、と興味を持ったのだ。
「やるかやらないかはご本人様が決めること」「ここでは治療以外できないので、その場合はホスピスとかご紹介しています・・・また、考えてみます?」
そういって、11月10日に次回の診察の予約を入れた。多分、それが最後の診察になるだろう。前回のブログでアップした「5・7・5」の2句を単語カードに書いてポケットに忍ばせていたのだが、生憎と見せるチャンスはなかった。


2015/10/16

◎ガン切らず 騙し騙しで 幾つまで

にしても、このところ不覚にも死の淵を必死で駆け巡っていたようだ。目に見えぬ不安、死への恐れ・・・怖いの一色に周章狼狽していたと思う。2泊3日の検査入院で目が覚めた。カメの体の現状が認識でき、ひと安心、妙な不安は消えた。
入院前夜は、さすがに興奮してなかなか眠れず。入院誓約書の親族、連帯保証人についていずれも「なし」、それが通らないようなら検査はキャンセルしようと思った。冷静に振り返れば、現状では、喉の不調を除けば、他に不具合は何もない。タラレバでいえば、「何もしない」選択肢が生きてくる。いま、あちこち手を突っ込んでグチャグチャにするよりも、何もしないのも一理あり、だ。

朝の入院受付時にそれは問題とはされず、胃カメラ検査が終わってベッドに戻ったところから看護師が入れ代わり立ち代わり、身上調査に顔を出し、身内或いは親族の連絡先を聞き出そうとするが、こちらはずっと疎遠になっているので・・・で押し通した。とはいえ、身内もいない、親族もいないというのに、手術してまで健康を回復して、誰が喜んでくれるのか。また、本人に何かやり残したこと、やらなければならないことはあるのか・・・なんていうのはカゲの声だ。
2日目、気管支鏡検査の日、昼過ぎからの検査を前に担当医が、事務方から強要されたのだろう、突然姿を表し「入院には社会的ルールがあり、医師と患者だけの関係ではない。どうしようもない」と身内の連絡先を求めてきた。最後の切り札の登場だ。カメの気持ちは固まっていたが、検査前なので飲み込んだ。

☆ガン切って 抗ガン剤で 延命か
胃カメラは辛い、何とも辛い検査だった。ナースが背中をさすってくれるのが大きな癒しになった。モニターが見られる位置にベットはあったが、チラともみられなかった。気管支鏡検査は、点滴しながら、心電図をとりながら、内視鏡を挿入されたが、胃カメラの時よりも麻酔を多く使ったため、辛さは感じなかった。検査結果は23日になる。

ほんの気まぐれに、里心がついて? 覗いたつもりの世間の風は何とも刺々しい。やっぱり外道の世界がいい、望んで積極的に足を踏み入れてもう10年か。すっかり馴染んできたと思っていたのに、である。これを里心というのかどうかは知らないが、俗世間の風を久々に浴びて、ついつい長居をしてしまったようだ。孤古老には当然ながら居心地は良くない。世間のルールが様々ある。面倒でならない。当然承知の上だったのだがねえ、だ。阿呆らし。ベットの上は5・7・5を撚るにはいいかもしれない。結論が出たよ。どちらを選ぶかは、人それぞれ・・・。
ガン切らず 騙し騙しで 幾つまで
ガン切って 抗ガン剤で 延命か


2015/10/12

◎タバコやめ 命永らえ 挙句ガン

にしても、生きているのは面倒くさい、息も止められない、やたら疲れる、全てが億劫になる・・・なんて思いが募るのは、数カ月前の「ゴホン」がきっかけだ。
ついつい外道の道を外れて俗世に出戻りしたら、いや、はや、世の中、ルールが多すぎる。特に、医療の世界はデジタル化が進み、アナログ的反応は弾かれる。厄介でも、デジタル情報に基づいて一つ一つこなしていくしかない。振り返れば、ゴホンに始まり肺がんの疑いまで、どうやら積極的に自らそのレールに乗ったきらいがある。
人生50年、夢幻・・・を契機に、サッカーでいうなら人生のロスタイム入りを気取ったのだった。「50歳まで生きれば、もう十分じゃないか」というわけ。以来、健康診断は一度も受けていない。50歳過ぎて、病気が見つかったとして、それを治療してどうするのってこと、だ。
何と、それがこの有様で、何とも面目ないのだが、何せ、全てはロスタイムが長過ぎたことに尽きる。9年前、銭湯で気を失って倒れ救急車で運ばれクモ膜下出血の手術を受けて3日後だったか、意識を回復してしまったのだ。その辺の経緯は本ブログにアップしている。
あれから9年、この間、これからもだが、特にやらなければならないことはないし、やりたいこともない。パソコンと戯れながら、ただ只管お迎えを待っている。そんな状態でのゴホンだ。ゴホンで救急車はないだろう。挙句は検査漬け、ロスタイムに終了はないのかと思う。
検査入院を前にして・・・。

2015/10/10

◎がん検査 重ねる度に 近づく死

にしても、肺の影をそっくり切り取ればOKなんだろうなぁ・・・なんて努めて気楽な気分で東京労災病院へ、この日は先日のPET検査の結果を中心に肺がん状況の診断、かなりな事が分かるはず。そのカラー画像を見せながら医師の説明はやはり専門用語が多く、浅学非才の脳にはすんなり入ってこない。どうやら、肺に挟まれたところ、縦の隔壁、じゅうかく(縦隔)というんですね、こういったところのリンパ節も取り込みがあって、転移だろうということなんですね。外科の先生とも話したんですが、取れなくはないだろうが、場合によっては、左の肺は全部切除するかもしれない、それを避けてガンのある上肺だけ取って、下肺を助ける、開けてみないとわからないが、下肺だけ残すのもできるかもしれない。縦隔への転移については、術後に取り切れていない場合もあるので、術後に抗がん剤をやった方がベターかもしれない。外科的には、本人がリスクを承知なら手術をすると話していた、と。
続けて、考えは決まりました? もう、お任せ、身を預けようかな、と苦笑いで返していた。正直、そうなんですよ、ね。そんなに選択肢はないんですよねぇ、と。まあ、それなら、一回入院して内視鏡でのぞいて、ブツを取って調べるところからスタートしましょう。来週は大丈夫ですか?
そこで内視鏡検査の手順などを説明しているうちに、水を飲み込む際に激しく咳き込む事が多いと答えたら、それは胃カメラですねともう一日かけて胃カメラ検査もと手配し、二泊三日の検査入院が決まり、その後は、介護士と事務方から改めて手術の概要、入院の注意点などを説明されたのでした。
その夜再び、NET検索して探したところ、似た症状を見つけた。
がんは、発生した場所で大きくなるだけではなく、リンパ管や血管に入り込んで移動し、さらに大きくなることがあります。がんが発生した場所の近くにあるリンパ管に入り込んだがん細胞は、リンパ管からリンパ節に流れ込み、そこでまず止まります。白血球やリンパ球の攻撃によっても排除されず、生き残ったがん細胞はリンパ節で増え始めます・・・と。
いや、はや、恐ろしい。身が竦む、ねぇ。


2015/10/07

◎目を閉じて 俎板の鯉 跳ねもせず

にしても、肺のCD画像一枚持たされ放り出された先は東京労災病院、9年前銭湯で倒れ救急車で運ばれクモ膜下出血の手術を受け、この世に無事生還した病院だけに、心情的には近しい。今度も、生きるか死ぬか、前回との大きな違いは、今度は自転車、自分の足で駆け込んでいる点だ。診察券は手提げ金庫に残っていた。
受付が終わると、とりあえずの検査、血圧測定、血液検査、尿検査、心電図、肺気量、胸部レントゲン撮影・・・、呼吸器科の担当医の診察はそれから。CD画像を見ながら、エネルギッシュな医者は躊躇う事なく、ポンポンとリズム良く懇切丁寧に説明した。
「大きな病気を考えなきゃいけない。左の肺のこの辺に4センチ強の塊、おむすび型の全部、声が涸れるのは反回神経の麻痺、左の神経が引っかかってる」
「まずは、癌かどうかを確定しなきゃいけない。今も昔も、癌細胞があるかどうかは、内視鏡検査で取ってくる。で、それを顕微鏡で見る。一番いいのは手術なんですね。他に転移がなければ、できるかもしれない。転移しているかどうかが分かるPET検査、四谷三丁目のクリニックでやっているので・・・。
もう一つは、放射線、抗がん剤・・・。どれも大変な治療なので、やるからにはちゃんとした根拠が欲しい、出来れば、癌細胞を証明したい、これだけ大きいのがあったら、癌以外考えにくいんですけど・・・」
「何もしないという選択肢・・・ありますねぇ。ほっとけば進行する。声がれ、血痰、痛み、出血、あれこれ出てくるでしょう、ね」
「肺がんは手術が最善の策。右にも出てきちゃうと窒息もある。早い方がいいかな、と思う。もう癌であることは間違いないので、内視鏡検査とかは飛ばしてでも・・・」
午後には頭部のCTスキャン・造影検査を予約、PET検査の手配もして「いまは頭が真っ白だと思うんですが、どうするか暫く考えていただいて、次の診察は9日に入れておきます」と事務的にテキパキ進めた。

☆肺の影 切ってダメなら どないしよう
「PET」とは「陽電子放射断層撮影」との意、PET検査は、がんを検査する方法の一つで最近保険診療が可能になったという。がん細胞が正常細胞に比べて3~8倍のブドウ糖を取り込む性質を利用、ブドウ糖に近い成分(放射性物質)を体内に注入し、しばらくしてから(約1時間)全身をPETで撮影するとブドウ糖が多く集まるところがわかるという。クリニックには新橋で地下鉄銀座線に乗り換えるコースで行った。新橋駅での乗り換え、こんなに遠かったっけ。ラッシュは終った時間帯なのに、人いきれが息苦しい。行き交う人の波がエネルギッシュで、弾き飛ばされそうだ。
PET撮影は、2時間余りで終わった。その結果は、労災病院に送付されるとかで、検査料金の他に500円の送料を払わされた。
で、今はもう、俎板の鯉・・・。真っ白になった頭で考えてみても、特にというか、別にやること、やりたいこともないわけで、この際、手術を受けてみようかという気が仄かに湧き上がってきた、よ。ウフッ。


2015/10/05

◎ 真っ白な 頭に浮かぶ 肺がん死

にしても、あれ以来、頭は真っ白なままだ。人の生き死にについては、昔からあれこれ自己流で考察を重ね、危機管理の備えも万全を期しているつもりだった。でも、イザとなると何も思い浮かばず、思考回路はストップ、性急に結果が欲しくなり、自暴自棄になりかねない。
あれって、前回報告したCT頚部造影の撮影、画像を見ながら耳鼻咽喉科の医師は「肺の中に異変あり。でも、専門分野が違うので・・・。丁度今夜、医大から肺が専門の内科の先生がこちらに来るので、引き継いでおきますので、今夜また来てください。その方が話が早い」。タライ回しやないかと不貞腐れながらも、従わざるを得ないのが情けない。その夜、肺が専門の内科医は画像を眺めながら、こう見立てた。「声が出ないってことで来られたと思うんですが、やはり、肺に影があります。肺がんの疑い、ですね。放射線治療はこの病院ではできない。東京労災病院か。治療して治らないこともありますし・・・。声帯の神経はここに繋がってます・・・」
肺がんの疑いという言葉が脳裏を駆け巡る。疑いって何なんだ!!! 放射線治療って? 訳が分からない。疑いって言いながら、放射線治療って、どういうことなのか。真意を分かってもらえるかどうか、不安ながらも無我夢中で掠れた声で言った。「放っといても大丈夫なんですか・・・」と。
内科医はカメの心中を見透かしたように「何もしないという、その選択肢もあります。紹介状を書きますから、治療してもよし、相談してもよし・・・」と淡々と言った。受け取った紹介状は診療情報提供書とあり、CD-ROM在中ともあった。

茫然自失ってやつか。事態を認識できない。ボーっとして脳が働こうとしない。ただ、何も考えたくない。顔を前に向けたくない。俯いたままだ。何をどうすれば・・・。あれこれ考えていたはずなのに、頭は真っ白のままだ。
NETニュースに「川島なお美さん、抗がん剤治療拒否 最後まで女優としての人生全う」とある。
NKKでは、SONGSスペシャル「矢沢永吉」を流していた。ライブに密着したドキュメンタリーだ。インタビューに矢沢の声が耳に入ってくる。「やればいいじゃん。ドキドキ、ワクワク、声が出て、足腰動いているうちは・・・」
一枚の同じ画像を巡って、医者の言葉は何とも歯切れが悪い。素人のカメに何が見えるというのか。結局、医者は患者にボールを投げ返して責任回避、自己責任で決めろ!ということや。でも、この歳や、医者の言葉にも、何もしないことも選択肢になる、と。ウンウン、そう、自己責任ってやつ、や。瞬間的に浮かんだのは川崎の回春デリヘル。あぁー、あぁー、アァー。
目が冴えて冴えて、眠くならないんだよなあ、夜も麦爽快缶を開けてはみたが・・・。Gも無理。脳がまったく反応しない。いま、00:06、参った、ねぇ。


2015/09/21

◎骨脆く 好きなゴロゴロ ままならず

にしても、いつから敬老の日が9月の第3月曜日になったのか、全く記憶に無い。老人の日だったんじゃないか、とも。これまで、ゴロゴロしながらぼんやりテレビのリモコンを握っているのが日々是好日だったのだが、72歳を超えたからなのか、今年はちょっと違う。6月に区の無料健康診断を受けてからというもの医者通いが絶え間ない。ゴロゴロできるなんて幸せよなぁ、だ。熱中症で椅子から滑り落ちて肩甲骨と肋骨を折ってからは悔しいことにゴロゴロがままならないのだ。
整形外科医院への通院は丁度1ヵ月になる。薬は痛み止めで、骨は自然治癒、くっつくのを気長に待つっきゃないようだ。それでも、Tシャツの脱ぎ着ができるようになっただけで有難かったし嬉しかった。洗顔時、無意識に手櫛もやっていて、自ら驚かされた。
 気管支炎の咳止め薬は服用して4ヵ月になるか。徐々に回復しているのは実感しているが、先夜はセレブ熟女とディナーのあと久々にカラオケで2時間、マイクを握り声を張り上げた。数日後、その祟りとしか思えぬ症状が現れた。薬局で薬を受け取る際、何か聞かれて答えようとしたが、喉がゼーゼー鳴るばかりで声にならない。声帯が潰れた感じだ。いつもの演歌を口ずさんでみるが声が掠れて音にならない。実は独り暮らし、喋る機会がない、喋らなくても生活に支障はないと気がついた。幸いなのかどうか・・・。Diaryにはこうメモしている。
「喉不具合。声が出ない。カラオケ歌い過ぎ、不覚やった。水の飲み込みが上手くできない。激しくむせる。食べ物はOK。ともあれ、参った」
シルバーウイーク初日の19日朝、彼女から電話が入ったものの、まともに話が通じない。声帯も自然治癒するだろうと気楽に構えていたが、ちょっと不安でもある。彼女は「医者に行った方がいいよ」と背中を押してくれた。カレンダーを見れば水曜日まで医者は休みだ。慌てて近所の耳鼻咽喉科に駆け込んだ。
鼻から管を差し込んで覗いた結果は「放っといて治るかもしれないし、検査によってはもっと怖いものが隠れているかもしれない」と。声帯××とかで、カラオケ、気管支炎は関係ないと、キッパリ。
CT頚部造影の検査項目が多いとかで、採血量が多く、参った、ね。で、撮影は連休明け。それから、診断だそうな。トホホ、トホホ・・・。

2015/09/15

◎古稀過ぎりゃ 欲ボケなんざ 屁でもねぇ

にしても、厄介なことに外道の道を歩いているつもりでも欲ボケってやつは消えないようだ・・・なんて、お恥ずかしくも情けないドジ話を何故かカミングアウトしたくなった。何かといえば、NET依存症のカメが、あんなにも気をつけていたNETフィッシング (詐欺)にあっけなくひっかかって、欲ボケを思い知らされてしまったというお粗末、と書きながらも舌打ちし、唇をかみ、何とも腹立たしく、情けない。自業自得と言わば言え、だ。

★iPHONE 6が99円 何とも魅力的!!!
突然、パソコンに現れたこの画面・・・ご覧になった方もいらっしゃるかもしれないが、ともあれ、この写真は残念ながらパソコンに取り込めず、情けないことにデジカメで撮ったものを使わせていただいた。
iPHONE 6が99円って、何とも魅力的なんだよなあ。そもそも、金がかかるからスマホを持つ気は元々なかったのに、それが99円ときたら、無性に欲しくなった。通信はやめてムービー、フォト、レコーダー専用に使えばいい、何ともgood ideaじゃないか。
で、郵送先の記入となり、それでも用心深く、氏名は念のため長年使っている、郵便受け取り可能なハンドルネームを使った。さて、クレジットカードの番号だ。これがいかに大切かは、十分知っている。使ったのはタイへの往復航空券の予約時しかない。好きで頻繁に利用する通販は基本代引き、時に面倒臭いと感じることもあるが、その時は断念する。ことほど、カード使いは神経質にしていた。
実は、このサイト、全ては英語。カメは苦手というかチンプンカンプン。もう、iPHONE 6しか眼中にない。長文の契約書などはスルー、二回ほど「yes」をクリックした記憶はある。後で気がつけば、これが欲ボケなのだろう、なんせ、気がせいている。「iPHONE 6」と「99円」の魔力だ。ひっかかっても「99円」ならいいか、と舞い上がっていた。

★メール発信地はデンマーク、全文英語
バンコクセレブ旅に出かける2日前、肩甲骨骨折から4日目で妙な痛みが続いていた。心身ともに優れず自ら奮い立たせハイテンションにもなっていたのだろう。一通り手続きを終えた時は一人、密かにほくそ笑んだ。
と、そのサイトからメールが届いた。もちろん英語、発信地はデンマーク。「99.00JPY」の文字が何ヵ所かで見受けられるのを確認して、何故か、安心した。あとは「iPHONE 6」が届いてから考えようと思った。羽田空港へ出かける日にもメールが着信した。「iPHONE 6」発送の連絡かと期待したものの英語、よくわからないまま受信箱を閉じた。
バンコクから帰国した日に第3信、ちょっと様子が違う。
「Order Total included VAT: 4499.00JPY」と読み取れる。でも、まだ信じていたい気持ちの方が強い。危機が迫っていても、気づきたくもない。トラブルに巻き込まれるのは面倒だ。何日か逡巡した。

★14日毎に4499円、自動更新される
9月に入ってもメールは続き、流石にいささか不安になって、サイト名をネットで検索してみた。予想通りというか、そうなってほしくなかったのだが、アホなご同輩がわんさといて、退会方法を教えてと悲痛な叫びを挙げていた。そうした情報によると、このサイトはデンマーク人が仕掛けているポイントサイトで、プレミアム会員の5日間99円を支払い、その後、プレミアムメンバーシップをキャンセルしない限り、14日毎に自動更新(14日毎に4499円)されるようだ。な、な、なんと、なのだが、これも全ては自業自得か。この程度で済んでラッキーと思わなければならないだろう。退会の方法も奇特な方から投稿されていて、先方から送られてきたクレジット決済の明細を貼り付け、この内容の契約をキャンセルしたい、勘違いで契約してしまった、キャンセルお願いします・・・とメールすればいい、と。お言葉に甘え、翻訳ソフトを使ってメールしたところ、こんな返信が届いた。「あなたのプレミアム会員IDから登録を解除しています」と。何と良心的なと思いながら、ホッとした。

★カード会社では、もはや手遅れ
念のため、カード会社にアクセスしてみると、99円と4499円が2件、アップされていたので、電話して確認すると、もはや手遅れ、どうしようもないとのこと。あとは、カード番号を変更するしかない、と。そうお願いして、今は新しいカードが届けられるのを待っているところ。と、ほほ。

と、まぁ、こんな塩梅で、殊勝に反省しつつ検証を重ねてきたが、やはり些か疲れた。ここらで一句、吠えてみたくなった。
古稀過ぎりゃ 欲ボケなんざ 屁でもねぇ

2015/08/29

◎デパートのフロア全てがハイヒール

にしても、セレブ旅とくればショッピングか。免税店に始まり地元のデパートや有名店、爆買いする方は空のスーツケースを一つ持ち込むと聞いた。セレブ熟女は羽田空港の免税店で時間をかけて化粧品をかなり買い込み、さらに機中でもカタログを見ながら何点か購入していた。化粧品に関しては何がなんだかさっぱりわからないが、ホテルにチェックインした後に出かけたセントラルデパートでも化粧品には時間をかけて、チェックしながら買っていた。
そのデパートでの最大の狙いはハイヒール。ワンフロア全部が婦人靴、それもハイヒールときたら、流石に目を見張るしかない。以前訪タイした際、それに感激したそうだ。その上、安いときたら、あれもこれも全部買って帰りたい、と。今の日本で、そんなデパートはない。バンコクではこうしたハイヒールが売れているわけで、そうしたパーティーなどが頻繁に開かれているのだろう。日本ではせいぜい結婚式程度に減っているから、元気がないわけだ。熟女はここで色鮮やかなハイヒールを3足購入した。
全ては、カードによる支払い、一体、何枚持っているのか、その都度使い分けているようなのだが、カメには伺いしれない世界である。
ともあれ、熟女のブランド力は雑誌編集者並みだろう。編集者と違うのは、そのブランドを自ら体験して、その良し悪しを独自に評価するところか。時に嫌みに聞こえなくもないが、実体験を元に語られると説得力を持つ。
カメの役回りといえば荷物持ちというか、執事役あたりか・・・。


2015/08/27

◎胸谷間 拭う拭わぬ 思案橋

にしても、セレブ旅にグルメは欠かせないだろう。そう、熟女の真髄もそこにある。カメの大好きな官能の世界はとうの昔に卒業、というか深みにはまる前にグルメの世界にのめり込んでしまったようだ。特に夏場、この時期は男の視線を承知の上で胸元を強調した挑発的なファッションに身を包むにもかかわらず、エクスタシーを感じるのはグルメとのたまう。
チャオプラヤー川沿いのタイレストランでランチの際のカメの一句がこれ。
胸谷間 拭う拭わぬ 思案橋

で、ホテルでの朝食、今やどこのホテルでも朝はバイキングが多くなっていると思うのだが、「朝食バイキングなんて貧乏人だよぉ」。幸いというか、オークラではバイキングの他に、朝食メニューが用意してあった、よ。
バンコクと限らず東京でも高級レストランほど強度のクーラーを利かせていて、客は承知でジャケットを着用、或いは羽織る。そのジャケットに品格が表れるという訳だ。
また、割烹料亭で靴を脱ぐ際、その靴にその人の人生すべてが表れてしまうので、セレブ熟女は高級ブランド品を履いていく。
高級店についての持論は、例えば1人5万円コースの場合、その内訳は2(料理)+2(ドリンク)+1(サービス)となる。
メニューと一緒にワインリストを用意していないような店は話にならないし、必然的にソムリエのいない店も同様だ。オーターした料理に合うワインをソムリエとあれこれ薀蓄を交えて軽く論議するのも至福の時という。その点、オークラに入っている和食の「山里」は合格だそうな。確かに、刺身といい、天ぷらといい、ここがバンコクかと思うほど旨かった、よ。ワインリストも豊富だったし、ねぇ。
グルメは東京で何度もご相伴にあずかっているのだが、出入りするのは一度は耳にしたことのある名店ばかり、勿論、立ち食いそば、吉野家の牛丼などは口にしたことはないそうだ。まして、バンコク名物の屋台群など、もってのほかだった。ウフッ。


2015/08/25

◎72歳の初体験、五つ星ホテル・・・

にしても、セレブ旅の必須条件を挙げれば、当然ながらホテルだろう。かつて、チェンマイをバックパッカーしていた時など、ホテル選定の基準はバスタブの有無。バスタブがあれば1泊500BHT(1750円)以上で、とても泊まれなかった。
今回、チェックインしたのは安心の日系老舗ホテル「オークラ・プレステージ・バンコク」(Net検索で1泊3万円~)。オフィス街で老舗高級デパートが近い。BTSの駅とも直結しているのだが、タクシーを使うのが当たり前のセレブにとっては立地の良さは関係ないし、トックトックと呼ばれる三輪タクシーなんて選択肢もない。ドアボーイにチップを渡し、タクシー運転手に行先を告げてもらってから乗り込む。行先は有名ホテル、デパート、ショッピングモールだ。一般人、貧民層と接触しないようにすれば、ひとまずは安心安全というわけだ。
ホテルのホームページをチェックしていたら、さすがラグジュアリーな雰囲気に包まれ、歯ブラシやら何やら、あらゆるものが揃っているじゃないか。これじゃ、いつも持参している洗面用具は不要か。と、スーツケースに空きができてしまう。なるほど、そこにセレブの衣装、小道具が詰め込まれるわけか。部屋の写真とか、施設の案内も充実していて、実際にホテルの部屋に入ってもいつものようにデジカメのシャッターをバシャバシャ押す気にはならなかった、よ。ウフッ。セレブ熟女と一緒では、さすがに恥ずかしい、ヨ。
エレガントな家具、エアコン、薄型ケーブルテレビ、シーティングエリア、専用バスルーム、バスタブは大きいし、トイレはウォシュレット、お洒落なバスローブに浴衣風な寝巻・・・。目を丸くした。ミニバーには、ミネラルウオーターからビール、ウイスキー、リキュールまで何でもござれ。それを確認したセレブは一言、「外のコンビニなんかで買い込んでくるのはやめてね」。
さっそく、ジンのポケット瓶の封を切り、ソーダで割ってグビッと・・・。さらに、不具合があると、フロントに電話して「ジャパニーズスタッフ プリーズ」、暫く待つが、確かに日本語が返ってくる。さすが、オークラ、よ。

(写真はNETよりコピペ)

2015/08/23

◎いいね、いいね、バンコクセレブ旅

にしても、2泊5日のバンコクセレブ旅、人生72年にしての初体験の多さに呆れつつも、今更ながら生き様の多様さに眩暈した。
飛行機のビジネスクラス、この差別化は何よりたまらない。格差社会ならではだ。いいね、いいね。イメージだけで、外から中身が見えないのもいい。実際に乗って、椅子に座ってみて、おっと、その前、機内に乗り込む前があった、よ。
そう、ビジネスだと、HISでの予約時に座席指定ができたし、空港ではビジネスクラス専用のチェックインカウンターがあったし、出国審査の手荷物、ボディチェックではいつもは何度も鳴る警報音が不思議なことに一度も反応しなかったよなぁ。ビジネスだと審査が甘いってことでもないだろうに、特別扱いされたようないい気分・・・。
さらに、空港の専用ラウンジ、搭乗するまでのひと時を寛げる空間で、軽く腹ごなしもできる。ビール、ウイスキー、ワインも揃っていて、ソフトドリンクも豊富、全ては無料。利用しない手はない。生ビールにミニサンド、カレー煮、焼売、ゼリー、ミニ寿司、麻婆豆腐、野菜サラダと、いずれも少量づつ取り分け、夕食にあてた。
そのあとは、ロッカーに手荷物を入れて身軽になり、免税店をのぞいた。と、あるよ、あるよ、かねてより探し歩いていたコンパクトでお洒落なスーツケースが、ウイスキーのノベルティグッズとしてあれこれ展示されていたのだ。選んだのは、CHIVAS REGAL 18Y GOLD SIGNATURE 700mlを2本。こんな高価な酒は飲んだことないよなぁと困惑しつつも、ゲットしたスーツケースにしまい込んだ。同行のセレブ熟女は化粧品をしこたま買い込んでいた。
さて、JALビジネスクラスの席はシェルフラットシートと呼び、寝返りがうてるほどのスペースを確保しているそうだ。ともあれ、初体験の物珍しさからおどおどとキーボードを操作、なかなかしっくりフィットしないまま、今度はテレビに気をとられているうちに、軽食サービス。あとは、映画のプログラムをあれこれ選ぶのに時間をとられて結局は決めきれず、うつらうつらしているうちに早や熱いおしぼりとともに和朝食が運ばれてきて、ビジネスの初体験は不完全燃焼に終わった。でも、帰途の機中ではフラットシートを自在に操り、熟睡できた、よ。ウフッ。ただ、バンコク・スワンナブーム空港のJAL専用ラウンジはちょっとお粗末でした、ねぇ、なにも、かも・・・。


2015/08/14

◎好事魔多し・・・なんて、くたばれ!!!

にしても、好事魔多しとはよくいったもので、今まさにその渦中にいます。この11日、横浜でのランチでデザート待ちの際、熱中症?突然意識がなくなり、右肩から床に落ち、したたか強く打って瞬間失神状態になって、ウエイトレスに覗き込まれ、意識は回復、深呼吸しながら椅子に座り直してみたものの、右肩、右脇腹に鈍痛が走り、右腕は痛くて上がらない状態・・・。その日は大事をとって、そのまま帰って、部屋で一人ひたすら静養につとめたものの、この6月から発症した気管支炎による咳に右肩と脇腹が激しく反応し、七転八倒を繰り返してもうクタクタ。マットを敷いて寝込んでみても、体は思うように動かせず、ウトウトを何度も続け、一夜明けたところで、念のため、近くの東邦医大病院を訪ねてみたのでした。と、紹介状なしの患者は初診時の選定療養費として5400円別途算定するとの告知。この際、そんなことよりレントゲンを撮って異常なしの「安心」が欲しいわけで、診察券を作成するなど手順を踏み、レントゲン撮影を終え、いよいよ診察・・・。ネガを見ながら「骨折はなし、ヒビも見えません」、あちこち触って、押して、痛いかどうかを誰何、とにかく右腕が上がらないと訴えるも、取り合わず、消炎、鎮痛剤、張付け剤のほかバストバンドを処方し、1週間ほどしたら、紹介状を書きますので、近所の整形外科に行ってみてください、と。大事に至っていないのはわかって、一安心なのだが、ねぇ。
やっぱ、病気のうちには入らないのか。こんなに咳と打ち身の複合病に七転八倒しているのだが、確かに、徐々にその症状は和らいできて、フライトには支障なさそうな気がしている。ふっ、よかった。


2015/08/05

◎足竦む ビジネスで飛ぶ バンコクか

にしても、連日の猛暑のせいか、何をトチ狂ったか、JALのビジネスクラスを利用した羽田発着バンコク2泊5日のパック旅行に申し込んでしまった。しめて21万円、HISに振り込んだが、現実感なし。夢幻の如し、やった。この予算なら、エコノミー便を使いプーケットで1カ月は暮らせると、脳裏に浮かんだのだが・・・。
HISによる行程表によると、コース名は[ビジネスPF]日本航空指定 羽田発着 バンコク2泊5日 オークラプレステージバンコク、出発便は8月18日00時40分発 JL033で、到着便は8月21日06時05分着 JL034。機中2泊で、ホテルは5つ星の日系オークラ、もうクラクラして、目の玉が飛び出しそうだ。
そう、このパック旅行、勿論カメ独りでこんなゴージャスな旅を企画するはずもなく、同行者がいて、相方はここ数年フレンドリーなセレブ熟女。グルメにはまっていて、何度もご相伴にあずかっている御仁。「生涯に一度ぐらい贅沢な旅もいいんじゃないの」とかいわれて、空前絶後か、絶後にはしたくないよなぁなんて思いつつ、大枚をはたいていたのでした。ウフッ。
はて、さて、オークラのHPを見ると、いやはや、凄い、豪華絢爛、気圧された。どうやら、いつものGパンにTシャツとはいかないようだ。黙っていても、そんな雰囲気が伝わってくるよ。相方にそう言ってみると「襟付きのシャツならいいんじゃないの」。といっても、ねぇ、ゴルフファッションも今は昔、サガゼン蒲田でものぞいてみるか、なんて、ね。何か、ホテルを探検するだけでも面白そう、や。で、恥ずかしながらの一句・・・。

足竦む ビジネスで飛ぶ バンコクか