2010/06/14

◎人類が犯した最大の罪は貧困を創出したこと


にしても、サッカーW杯の南アフリカ開催に合わせてNHKBSで再放送されたドキュメンタリー番組、アパルトヘイト下の南アフリカで廻された欧米のカメラの記録、「人種差別との闘い」「アパルトヘイト廃絶への道」シリーズは見応えがあり、貧富の格差が如何に人間の尊厳を否定し、崩壊させ、同時に、それが何でもありのテロリズムを醸成し、さらなる貧困を生む様を執拗に映し出しているのを見て、カメは空恐ろしさを感じるとともに、平和呆けの日本に生まれ育った幸せを噛み締めつつ「人類が犯した最大の罪は貧困を創出したこと」と一人ごちて何となく得心し、これを外道カメの箴言に加え、ちょっとした達成感を堪能した。
歴史的にも、ベルリンの壁が壊され、冷戦構造が消えてから、紛争のタネは主義、理論ではなく民族、宗教、境界線にとって代わられたかに見えたが、それ以上にグローバル化が進行した世界では、今世紀の新たな共通テーマは「格差」に集約され、その是正が最大の課題となったのだが、その対応策は見つけられないまま、それらに反発するテロの横行を許してしまう結果を招いているのだが・・・。
改めて、アパルトヘイトの映像を目の当たりにすれば、日本にも、かつて貧しさゆえの人身売買などがあった時代も体験しているのだが・・・、いまハイビジョン映像で映し出される貧困、不条理な行為、それらは何とも痛ましく、その感想を述べる言葉も見つからない。いまは、ただ無事に大過なくW杯が幕を閉じてくれれば、と密かに願うのみだ。