2012/03/13

◎銀の指輪を見て蠱惑の虜に・・・


にしても、コレカメ像を探しながらも、カメの目がキラキラあらぬ方向へも飛んで行くことに気付いていた。一つが、シルバー製の指輪、もう一つが仏陀の涅槃像(寝像)だ。自分探しの旅にこれだけ関心の的が増えれば自ずと奥が深く幅も広がり、面白く楽しく、時間も掛かることになって・・・、いやはや、時間だけでなくもう少し金をかけてもいいかなとも思っては見るのだが、根が吝嗇な上、と同時に涅槃像を持ち帰るともなると大きさ、重さも考えなくてはならず・・・なんて心配性でもあり、とりあえずはシルバーの指輪、こちらの制約ならカメが一番苦手な金だけ。大きさ、重さが気になるなんてことはまずあるまい。だからなのか、これは単純に面白い。心(しん)の臓が高まる。血の奔流が感じられる。カメはこれまで、宝飾品などに興味を持ったこともない。というより、何故多くの方が魅了されるのか不思議だったのだが、今回、あれこれ見て回って、何となく蠱惑の虜になりかかっているような気がした。蠱惑なんて言葉が飛び出す不思議だ。
骨董品と同様、宝飾品にも値段はあってもないようなものだろう。売り手が値段をつけるというより、買い手の心が、想いが値段を決めるのではないか。売り手は買い手のそんな心の動きを如何に察知するかだろう。
土曜日の夜、お堀の南に位置するチェンマイ門から空港方向に南東に伸びているウアラーイ通り(歩行者天国)のサタデーマーケットを巡った。ここは、銀細工で知られる街、かつてチェンマイに都があったころ、当時のビルマから多くの銀細工職人を連れてきて住まわせたという。いまもその名残を少しは留めているが、銀製品の販売は他のエリアがメインになっているようでサタデーマーケットに出店している店はほとんどないし、店舗の中までのぞくお客さんはいない。店舗の前はズラリと屋台が並び、かつての銀製品華やかなりし頃の面影はない。
端から歩き始めたが、銀もどきの華々しい装飾品などを扱う屋台は多く見られるが、本格的な銀製品を並べる屋台は少ない。ちょっと気になるデザインの銀指輪を目にしだら「タオライカップ」と声はかけようと決めて望んだ。最初に目に付いたのは店主ともども何となく由緒正しき屋台に見えた。
カメの「タオライ」に男の店主は無表情に「500BT」といって、ニコリともしない。次の屋台では何と「1800BT」でオヒョヒョってなもんで話にもならず逃げるように退散。次は「800BT」やった。で、何となく相場はわかった気がしたが、「眼力」は話にならない?とも。