◎水上マーケットは観光カラクリ小屋・・・
にしても、出来レースというか、水上マーケットは完全な観光カラクリ小屋だった。ひょっとして、国の観光施策??? といった臭いもした。というより、多分、ズバリ的中だろう。観光客を主役に巻き込んだ政府、旅行代理店によるちょっとした水上テーマパークだ。
水上マーケットというから、バンコクでいまも毎日行われている本物の市場取引をイメージしていたのだが、これが、これが、あくまでも観光用・・・。
何のことはない、バンコク名物の一つ、路上の屋台が運河に浮かぶ手漕ぎ船に移行しただけだった。
例の観光写真でお馴染みの竹笠、麦藁帽子から、フルーツ、陶器、雑貨、各種お土産類を並べた船が浮かぶ運河を、これまた手漕ぎボートに乗った観光客が押し合いへし合い買い物する構図で、もちろん岸辺からも買える。
マーケットには運河の上から陸地につながる大きな土産物小屋もあり、その大きな小屋が観光客の目くらましになっていた。
バンコクからマイクロバスに乗って延々1時間余、ココナッツファームに立ち寄ったあと着いたのがダムヌンサドアック水上マーケットの駐車場。結構広く、大型も含め何台もの観光バスが駐車していた。そこで案内されたのが、スピードボートの発着場で、5~6人乗りのボートに乗せられて狭い川幅の運河を次々に出航。水飛沫を上げながら、エンジン音を唸らせながら、いや、結構ワクワクした。
運河の周辺は椰子畑が多く、いまも水上家屋が軒を連ねる生活の場だ。スピードボートは水路を西に東に方向を変え、ジェット音をとどろかせながら、水面に水飛沫を上げる。乗っている方はほぼ水面の目線で、周囲はほとんど見渡せないまま、水上生活に思いをはせたり、生活格差を感じたり・・・。
俯瞰してみれば、矩形のビッグな水上遊園地に違いない。
20分ほども走ったろうか。その運河の一角で、さまざまな土産物を積んでけばけばしい様相の手漕ぎ船が押し合いへし合いしている光景に遭遇した。
市場の中心部にスピードボートは進入禁止で、押し合いへし合いする手漕ぎボートに乗るには別料金が必要になるそうだ。
でも、よく出来たシステムだ。限られた水上空間は一種異様な雰囲気を醸し出していて、観光客のテンションも上がり、財布の紐も緩む仕掛けだ。
ここで、1時間ほどのショッピングタイムが設定されていて、その時間が終わると、もう一度スピードボートに乗って帰るのではなく、土産物小屋の中の入り組んだ通路に並ぶ屋台の間を10分近くかけて潜り抜けると、そこはマイクロバスが止まっている駐車場だった。
ま、何枚か、いい写真も撮れただろうから、良しとしなければ・・・。