2006/09/20

◆タイのクーデターはマイペンライな茶番劇

にしても、タイの軍事クーデターは、いかにもタイらしい。国王陛下のお墨付きを掲げ、マイペンライと国民みんなでマジに演じる茶番劇だ。
一夜明けた20日、新聞、ラジオ、テレビとメディアをあちこちサーフィンしてみたが、軍事クーデターの緊迫感がまるでない。首相府の周辺に出動した戦車の写真を見ても平穏そのまま、血の一滴も流れていない。リアリティが感じられなかった。
というのも、今年に入って3回奉泰して、バンコク市街の土地勘はいささかある。首相府の周辺は繁華街からはずっと離れた、由緒あるワット(寺院)が点在する巨大な歴史公園の趣だ。BTS、地下鉄もまだ通っていなくて、夜間は人通りはほとんどなくひっそりしている。首都を制圧・・・といったイメージが湧いてこない。
通信社の写真をみても、観光用の記念撮影風だ。カメラマンは困惑したに違いない。
WEBで情報収集していたら、昼前に見つけた毎日新聞の【バンコク春日孝之】電によると、2台の戦車が待機する首相府北門前で実況していたテレビ局の女性記者(35)に、日本人観光客が「何のイベントですか?」と声をかけた・・・そうだ。
日本人観光客がノー天気なのではない。多分、これが今回の軍事クーデターの真髄だろう。カメがバンコクにはまる由縁だ。
東京に木枯らしが吹くころ、やっぱり予定通りバンコクに行ってみよう。