2015/06/09

◎20余年ぶりの健診結果に狼狽る

にしても、「そっかぁ、リセットかぁ」と、声にならない溜息を漏らした。この6日昼前、近所の循環器科・内科医院の診察室でのこと。区の健診結果を医者から告げられ、医師の所見に話が及んだ際、カメの顔は強張っていたかもしれない。
なんせ、人生50年夢幻の如くなりと健診は50歳の時に止め、以来一度も健診は受けていない。9年前、銭湯で倒れて救急車で運ばれクモ膜下出血の手術を受け、1カ月近く入院したことがあり、その際不思議なことに後遺症もなく、何と喫煙習慣が消えていた。まっ「快」「不快」を基準に心身をを管理し、それに痛みに極度に弱いだけに、何度か歯医者で治療を受けた程度で、この間、医者とは無縁に過ごしてきた。
ところが、先月中旬から咳き込むことが多くなり気管支炎と素人診断し、いつものように市販薬を服用しても症状に改善は見られず、そんな時に「年に1回は必ず受診を」と区から「健康診査」(無料)の案内状が届き、ついでに、というか欲を出して両方見てもらう気になって・・・。
受診した時、気管支は最後に医者が胸と背中に聴診器を当てて、「変な音はないですね、薬を出しときます」で終了。ホッとして、何となく深い深い安堵感に包まれたのだった。何か、社会復帰したような気もしたし、里心がでたかとも感じたものだ。検診結果も、そんな塩梅ならいいなと微かに期待していた。ところが、医者は、「悪玉コレステロール値がちょっと高い、163。動脈瘤の可能性もある」「レントゲンは前に撮られた時のがあれば比較できるが」など淡々と説明し、所見として「それぞれ別の病気ですから」と3点挙げた。
1.コレステロール 要治療
2.胸 CT 検査 要予約 東邦医大
3.不整脈  24時間心電図 要予約
「せっかく、検査しようという気になったわけですから、考えておいてください」と医者は即答を求めず、カメにボールを静かに投げてきた。思わず「お任せします」と口に出かかったが、それは押しとどめ、診察室を出た。
さて、はて、なのだが、時間が経つごとに気持ちは揺れ動いた。医者のいう通り、あれこれ検査をしてみるかという気持ちに一時は傾いたが、「ちょっと待て、あとは有料だぜ」との影の声が後押して、結局は今更リセットもないだろうと、健診回避の原点に戻ることにした。そして、万一に際しては、これまで通り成り行き任せにし、痛みに対しては堪らず医者に駆け込むなど対症療法でいくしかないよなぁと、独り言ちた。