◎激動のウクライナ紛争に巻き込まれたか・・・
にしても、外道のカメが激動する国際紛争に巻き込まれるとは夢想だにしなかったのだが、昨23日、まだ目覚めて間もない午前9時過ぎのこと、年に数回しか鳴らないのでもう取り外そうかとも思っている固定電話がルルンと響いた。何事かと慌てふためきつつ受話器をとると、女性のクールな声で「City Bankです。ウクライナで本日明け方、キャッシュカードを使って預金が引き出される不正取引がありました。カードの取引停止処分の措置をとりたいのですが、よろしいですか」と。
茫然としつつも、すえた脳をひと振りすれば、確かに、City Bankに口座はあるし、キャッシュカードも持っている。何よりオレは今、東京の狭い狭いワンルームマンションでさっき起きたばかりで、電話を受けているじゃないか。カードはまだ確認していないが、手提げ金庫にしまってある。それが、何と、いま世界中から注視されているあのウクライナで使われたというのだから、狐につままれたようだ。俄かには信じがたい。
女性の声が続く。「カードの使用履歴を調べましたら、昨年末、タイに行かれてますね」「どこかでスキミングされたのか、わかりませんが・・・、早急に取引停止にしませんと」
何たること。残高は幾らだっけ。全身の力が抜けていく。スキミングといったって、カードは財布に入れて肌身離さず、ゴルフ場に行くわけでもなく、ましてやお風呂のようなところにも出入りしていない。年金難民の老齢者が、いっときのささやかな癒しを探り歩いているだけだ。スキミングされるなど心当たりはまったくない。摩訶不思議なことがあるものだが、不正利用は現実に起こっているわけだ。
「詳細はまだ不明ですが、お客様は1日の取引額は最高10万円に設定されています」「不正利用については補償の対象になるでしょう」
で、カードは磁気情報とパスワードを変更して再発行になり、その手続きは支店に出かけても、電話・郵送でも交換は可能なのだそうだが・・・。まっ、これで、外道のカメもいっちょ前の国際人に格上げか。
それにしても、まだ狐につつまれている。