2010/05/07

◎テロの恐怖がリアルに迫ってくるロシア映画・・・


にしても、たかがロシア映画と侮って視聴し始めたが、そのシリアスな内容とリアリティある映像に惹き込まれ、ノー天気なカメは脳に鉄槌を下された気がした。2004年に製作された「大統領のカウントダウン」で、去る日、元外交官で作家、佐藤優がラジオでお奨めしていた映画。「抑止力」なんていう言葉が飛び交ったこの連休中に思い出し、つたやで借りてきて二度も見てしまった。
その触れ込みでは、 実在する諜報員をモデルに、ロシア映画史上最高額の製作費700万ドルを投入したアクション超大作。実際にチェチェン問題などを抱える国だからこそできた、リアルな物語に戦慄する。 チェチェンの捕虜、S少佐は女性ジャーナリストの手を借りて逃亡する。同じ頃、イスラム過激派と手を組んだチェチェン独立軍による大規模なテロ計画が進んでいた……。サーカス会場の天井から爆弾を吊るして観客2000人を人質にとるとともにプルトニウムのカプセルまで強奪して、ローマで開催中の反テロリズム・サミットを妨害しようとする半端じゃないテロなのだが・・・。
予想以上にスリリングで、緊迫感が持続する良い映画だった。実際に起きた事件を下敷きに、それと思わせる構成がしっかりしているからだろう、2回目の視聴でそのあたりもじっくり確認した。アメリカのスーパーアクション映画のように、スーパーマンは出てこないし、奇想天外の事態もおきず、ごくごく当たり前にドキュメンタリータッチで進展し、それなりにリアリティーを感じさせる話の展開は上手い。映像はCGなどは使わず、 ロシア軍の全面協力を得ているそうで、本物の戦車や軍用機を投入したスペクタクル描写はリアリティがあり惹き込まれた。それだけに、テロの恐ろしさが浮き彫りになり、テロの危機を身近に感じさせられた。日本の平和呆けはもはや救いがたいよなぁ・・・なんて自嘲気味に呟いて悦に入っている場合ではないと思い知らされた。ロシアですら、これほどのリアリティのある映画を作ってしまうのだからねぇ、くわばら、くわばら・・・ヤ。