2012/06/25

◎賞を総なめ「八日目の蝉」に臍を噛んだ

にしても、邦画はここ数十年ほとんど見ていないのだが、テレビ局の惹句に惹かれて先夜、つい視聴してしまって、やっぱりねえと臍を噛み、上っ面を繕っただけでボロボロになった今の日本の姿に思いを馳せた。国家も社会も底の浅い薄っぺらな建前だけに成り下がった様が何とも嘆かわしい。 映画は「八日目の蝉」。惹句は「日本アカデミー賞で、作品賞、主演女優賞(井上真央)、助演女優賞(永作博美)、監督賞など最優秀賞最多10部門と新人俳優賞(ノミネートは13部門)をはじめ、賞レースを席巻した衝撃作が待望の地上波初登場! 女であること、母であることの素晴らしさと哀しさを描き出す、感動ヒューマン・ドラマ。」 あらすじは「不倫相手の子どもを中絶した結果、子どもが産めない身体になった希和子(永作博美)。彼女は、母になることが出来ない絶望の中で、男と妻の間に生まれた娘・恵理菜(井上真央)を、生後6カ月で誘拐。恵理菜を薫と名付け、精一杯の愛情を娘に捧げながら4年間にわたる逃亡生活を送る。成長した恵理菜は、実の両親の元での生活にも馴染めず、家を出た。そしてある日、自分が妊娠をしていることに気付く。相手は家庭のある男だった・・・」 というわけで、見てみたくなったわけだが、ひと言でいって感想は、こりゃいま流行の「コピペ」じゃないのか・・・。安易な作りで展開が読め、途中で視聴を中止しようかとも思ったが、久々の邦画だし昨年の賞を総なめと聞いていたので、どんなものなのか最後まで見てみるかと自ら戒めつつの視聴となった。映画は日本人が大好きな因果応報、輪廻転生がベースで、ま、多分悪くはないんだろうが、こんなコピペを続けて賞が取れるようではヒューマンドキュメンタリードラマモ落ちたものっていうか、そうか、そうか、世の中変わってしまって、いまは、こんなコピペ物語にヒューマンドラマを見るんだよなぁ。ああぁっ・・・。なんか、まるで民主党の政治を見るようで、せっかくのテーマなのに、底の浅い建て前のピースを小奇麗にまとめて見せるだけ。この大いなる勘違い、そこには魂もなければ矜持もなく、何とも心もとなく、情けない。