2014/07/28

◎ 金が人と人の心を繋ぐってことも・・・なんて

にしても、同級生はカメがとうの昔に絶ち切り捨てた家族の柵(しがらみ)を両肩に背負い、引き摺ってきた。ショッピングモールや屋台群を歩いていても、常に家族の姿が見え隠れする。それも濃密だ。まっ、そのおかげで、カメはこうしてプーケットはパトンビーチにいられるわけで、感謝しなければなるまい。

実は、プーケットに旅立つ直前、別の同級生から、こんなメールを受け取っていた。
いってらっしゃい。今度は成田から…ですね。
考えて見れば最高に優雅な余生ですね。
しがらみを捨てる。しがらみがない。しがらみを無視する。
自己中心で生きる。みんながしたくても出来ない残世。
うらやましい限りです。
人は何をもって幸せとするか。馬齢72年いささか疲れてきました。
燦燦たる太陽のもと思う存分楽しんできてください。

見事にいいあてている。パトンビーチのホテルに着いてから、こう返信した。
久々に品格溢れるしっかりした文章に触れ、清々しい気分です。
「しがらみ」を透視して、哲学的分析まで加えていただき、恐縮しております。
成田に出かける朝、拝読、ちょっぴりですがまだこびり付いている後ろめたさが完全に吹っ切れ、ルンルン気分でタイ国際航空機に乗りました。
にしても、的確な人間観察と洞察はやはり俳句によるものでしょうね。

そんなやり取りが下地にあったからなのか、彼がいなくなったパトンビーチのホテルで、何とも珍しいことに、カメが「枕チップ」を置くようになった。20THB札1枚、一泊の宿泊代の20分の1だ。どんなスタッフがくるのかは知らない。でも、何となく20THB札が、金が人と人の心を繋ぐってことも・・・なんて。ちょっと気持ちのいいもんだ。