2013/12/29

◎「微笑返し」怖くタクシーに乗れない

にしても、プーケットでカメが難儀しているのは足の便だ。チェンマイでは着いたその日にトゥクトゥクでスーパーのBigCへ行き最安値の自転車を買って重宝していたのだが、プーケットではまったくといっていいほど自転車を見ない。南北に50kmある島(東西20km)の中央は山が幾つかあって、これを上り下りしないと隣の街、隣のビーチには移動できないから、自転車が用を為さないのは納得。交通機関といえば、公営のバス(1時間に1本程度)の他はミニバス(バン)、リムジンタクシー、メータータクシー、バイクでこれの運行の仕方、料金は交渉次第とかでチンプンカンプン、理解不能で特に騙されないよう端から疑っているから、乗る気にならない。それに、今夏からバトンビーチの道路は渋滞解消策として一方通行になったとか、乗る場所によってはとんでもないことになりそうだ。
勿論、双方向のコミュニケーションがとれればいいのだが、これが実は最も難しい。流行り言葉でいえば「微笑返し」だ。微笑みの国だけあって、話すときに微笑みは絶やさない。世間話ならそれもいいが、何か頼みごととか、教わる際はその微笑がネックとなる。バンコク、チェンマイでも体験したが、タイ人気質というやつ、他人に嫌われたくない、善い人と思われたい、だから微笑んでいるに過ぎないとしか思えない。たとえば、右も左もわからぬカメが観光地図を広げ指で指し示し、道順を聞いても微笑が返ってくるだけで、それが正解なのかどうかはわからない。かつて、そんなドジは幾つも踏んだ。微笑みに隠された危険性だ。お互いの勘違いがどんどん膨らんでいって、ついには手に負えなくなる。その解消法にカメは拙い英語を使った。これだと、突っかかりながらも、違う道をお互いに微笑みながら進んでいくことはない。