2009/05/22

◎ 三猿に「せざる」と「寝ざる」を加えて・・・


にしても、今回の訪泰でずっと気になりながらも未解決のまま持ち帰った「見ざる、言わざる、聞かざる」の三猿にもう一匹の猿が加わった四猿の木彫りお土産の由来が、Net検索の結果、ようやく何となくだが判明した。
本ブログにアップしたカメの心残りのメモには、四猿はまさにカメへの戒め、掻かざる、としたいところなのだろうが、どう考えても、タイ人の知恵ではなく日本人の思いつきのような気がする・・・など浅学菲才、浅薄な性根を不覚にも晒してしまったのだ。ま、その後、 掻かざるではなく「せざる」のよう、というところまでは辿り着いていたのだが・・・。
Netサーフィンによれば、三猿は日本語の語呂合わせから日本が発祥の地と思い込む人は多いが、実は三匹の猿というモチーフ自体は古代エジプトにも見られるもので、シルクロードを経由して中国から伝わったものだという見解もあり、実は「見ざる、聞かざる、言わざる」によく似た表現は古来世界各地にあり、同様の像も古くから存在、そして、それぞれの文化によって、意味するところは微妙に異なり、三猿の起源は未だ十分に解明されていないのだそうだ。
変わり三猿も多く、目耳口に手を添えて、それぞれ「よく見る」「よく聞く」「大声で言う」を表している三猿もあり、また、カメが気にしたもう一匹、下腹部、それもちょうど股間に両手をあてた猿、「せざる」を加えた四猿もしばしば登場している。四匹目のポーズは 文字通り、禁欲を表し仏教との関わりが深いと推察されている。
実は、更にもう一匹、五匹目の猿もいた。五匹のサルは「ごえん=ご縁」につながるとされ、 わりと昔から、有難がられていた様子で、「寝ざる」というそうだ。夜を徹して蟲を見張る庚申講のための猿というわけで、三猿に「せざる」と「寝ざる」を加えて、全部で五匹の猿、「五猿」が生まれたとも・・・。
で、この五匹目の猿、 寝ざるを書いてみると、 寝ざる → ネザル → ネ申 → 神・・・となって、ハレ、ホレ、ハレってわけ。