2006/10/05

◆金のないカメでも生息できる土地柄・・・


にしても、東京の下町、蒲田人の生命力、活力には仰天する。金はないはずなのに、安いとなれば目の色を変えてどっと殺到する。カメもその一人になっている。よーいドン!の合図は朝刊の折込チラシだ。
この一週間ほどを振り返ると・・・。
まずは、靴流通サービスの日替わり特売品はクロッグサンダルが税込490円(限定10足)。かかとがなく、スッと履けるのが気に入って、以前から狙っていただけに、金曜日の午前11時過ぎに(開店は10時)自転車で駆けつけたが既に完売。仕方なく、日曜日の日替わり特売はピッグスキンで1,490円(限定15足)に走ったら好きなブルーは残り3足、サイズが合うのは1足だけで迷わず購入した。
並びに吉野家があり、チラシで見た復活牛丼に長蛇の列ができていた。その行列を見ての帰り、もう一度靴屋の店頭を見たらブルーのクロッグサンダルは1足しか残っていなかった。
次は、ドラックストア・・・。風邪薬が目玉になっていたので行ってみると、大箱(24カプセル)は残り1箱。やっと間に合った感じで、店内をチェックしてみるとプライスカードに「広告の品」と表示してある商品のほとんどははけていた。平日の午前中の話で、レジにはお客さんの列ができている。チラシを見て走る根性には畏れ入った。
ここに移り住んで10年余、近くにある商店街の値段の安さには当初、度肝を抜かれた。その商店街にも世代交代の波が押し寄せ、廃業が増えて、その後はレンタルショップやドラッグストア、クリーニング取次店、惣菜店に代わった。いくつかあった銭湯は賃貸マンションに建て替えられた。
デフレ下での低価格競争が熾烈になって、同じ商売を長く続けていられなくなるようだ。
つい最近は、持ち帰り専門と思っていたちよだ鮨が駅前通りで回転寿司を始めた。一皿(2貫)オール100円。ランチタイムは一皿(1貫)50円で味噌汁は無料サービス(お代わり自由)。カメはランチタイムがことのほか気に入って通っていたのだが・・・、オープンして3ヶ月ほどだったか、店仕舞いしてしまった。
お客は途切れることなく入っているように見えたが、それでも閉めてしまった。いくらお客さんが立て込んでも、客単価は1,000円は超さない。これで続けるのはボランティアだ。馬鹿馬鹿しくなったのだろうと勝手に思っている。こんな土地柄だから、金のないカメでもまだ生息できている。