2006/10/24

◆官能の坩堝にはまって漂っている感じ・・・


にしても、バンコクでのバックパッカー暮らしは生活必需品だけでOKの世界で、それ以上でも、それ以下でもない・・・。とは、今年5月のバンコクでのメモだ。続けて、生活、暮らしに不要なものは一切いらない、邪魔だし、余計な荷物になるだけ、と。
カメのバックの中にはパソコン、周辺機器、デジカメ、観光ガイド本類、風邪薬など医薬品、歯ブラシ、シャンプーなど日用雑貨品の他はTシャツ、下着など衣類だけ。これで、2週間余りウロウロできたし、一ヵ月でもOKだ。
カオサン通りの路地にあるゲストハウスに泊まった時(一泊300BT=900円)のメモによると、部屋は狭い、ベッドのみ。エアコン、換気扇あり・・・、洗剤、タオルなし、灰皿なし、ミネラルウォーターなし、テーブルなし、掛け布団なし、テレビなし、コンセントなし、トイレットペーパーなし。さすがに、ここは一泊だけで出て、次のゲストハウスでは事前に部屋を見せてもらい(一泊250BT)、エアコンはなかったものの日当たりは良く綺麗で快適、そこには5連泊したのだが・・・。
さて、これからどうする? といって、バンコク・カオサンでは全てがゆるゆると過ぎていく。カメには、夢もなければ、希望もない、目的もない。特に、やりたいことも、やらなければならないこともない。5分後、10分後の姿すら浮かんでこない。
だだ、ぼんやり・・・前後左右をキョロキョロしながら、ただ歩く。
もちろん、タイ語での会話はチンプンカンプンだし、タイ文字も読めないから、混沌としている。カメ一人きりだから、当然、顔見知りもいない。いつも「ここは何処?」「私は誰?」状態だ。そうした混沌とした空気の中に身を委ねているのは好きだ。いわば、官能の坩堝にはまって漂っている感じ・・・。カメにとっては、ちょっとした快感である。
で、排気ガスとほこりを浴びながら歩き回ってクタクタになって、滅茶苦茶くたびれてバタン、キューだ。
無目的にダラダラ過ごした2週間余は何とも貴重な時の流れだった。
「何していたの?」「何しにいったの?」と友人にはよく聞かれるが、無目的にダラダラ・・・という答えに怪訝そうな顔をするのだが、その通りだし、それが外道のカメにとっては最高のリラクゼーションなのだ。