2016/04/24

◎プーケット 転地サプリに 迷走か

にしても、この歳になって言うのも照れるが、この世もまだ捨てたもんじゃないよなぁと込み上げるものを感じた(プーケットに立つ前に書きかけていた、その続き・・・)。
この世から勝手に足を踏み外し、外道を気取った古孤老73歳にとっては俄かには信じられない肺ガン余話である・・・「医の倫理は延命なり」の価値観がひっくり返った。
プーケット行きを前にして、いまいち盛り上がらないのはひとえに肺ガン、そしてそれに付随する体調と体調の維持管理。最も懸念されるのは咳き込みで、そうなったらどうするか、だ。就寝時、細かい咳き込みで、なかなか寝付けない夜が続いた。こりゃ、ヤバイよなぁと梅屋敷商店街を北へ歩き、東邦医大通りに曲がったら直ぐの所に「心療内科」の看板を見つけたのだ。電柱の看板などは注視しているが、「心療内科」を見るのは初めてだ。受付してもらおうとしたら、初診は「要予約」だそうだ。まぁ、いいでしょう。2、3度は殊勝に診察を受けて、最後は大声で恫喝気味に「モルヒネでも処方できんのか!」といえばいいかなと安易に考えていたのだが・・・。
診察した医師には問わず語りに肺ガン宣言の経緯を素直に洗い浚い話した、続けて、軽い咳き込みが続いて夜眠れないんですよね、と縋るようにおねだりしてみたのだが、その医師は即座に「朝まで起きているしかないですね」。けんもほろろ、参った、ね。そして「こんな症状では診断できません、ねぇ。呼吸器専門の東邦医大の先生が近所で開業していますので、紹介状を書きますので、行ってみてください」。
呼吸器の専門医はひと通り話を聞いた後、念のため、肺のレントゲン写真を撮ってみましようと、その写真を見ながら、「右の肺はまだ大丈夫のよう。お手伝いしましょう」「宣告を受けてから1年ですかね」と淡々と告げた。
そこで処方された1週間分の咳止めと痰除去の薬、これが効くんだよなぁ。驚いた。こんなことってあるのか。「治療」の道を自ら閉ざしたとはいえ、その先にどんな選択肢が用意されていたのか、抗がん剤と放射線治療を拒否したらその先にはもう何もないのか。これはやはり浅学菲才、無知によるものと諦めるしかないのか。
羽田からプーケットに飛ぶ日(翌日未明)、呼吸器科の医師を訪ね、プーケット行きを明かし、1か月分の薬を処方していただいた。「貯金を全部使ってくるつもりじゃないでしょうね」と、医師は軽い笑みをこぼした。