2011/05/27

◎「5W +1H」なんてマイペンライにかかったら・・・


にしても、26歳の独身OLとほぼ2日間過ごして、カメは「微笑みの国」とともに知られるタイの国民性としても語られることが多い「マイペンライ」の真髄に触れたような気がした。齢68のカメ、何せ42もの年の差だ。孫娘といえなくもない。日本の俗な世間の目からすれば、ヒヒ爺がアジアの国で若い娘に淫行している、とんでもない話だ。ま、カメは当初そんな風に感じていた。それならそれで、納得なのだが、初日の夕方、ホテルのフロントで初めてあった彼女は譬えようもなく可愛く、あどけなく、天真爛漫、自然体で構えたところがなく、ほんとにこれでいいのかよと、俄かには信じられなかった。淫行とかの2文字は瞬時に消えた。
その印象は、部屋に入ったときも、その後、ホテルのレストランで食事をし、再び、部屋に戻ってきても変わらなかった。
可愛い娘には、参った、ねぇ。爺は無力だ。何も出来ない。しちゃいけないなんて強い倫理観をもっているわけでもないんだけど・・・。手を出せそうで、結果的には出せなかった、出さなかった。食事のあと、部屋に戻って彼女はベッドに寝転んだりして、ねぇ。これが誘っているんだとしたら・・・カメの不覚、でも、不埒な気にはならなかった。劣情って奴は、谷ナオミとか及川奈央に対して生じる雄の性ホルモン生成反応だ。一緒にして欲しくはない。
何せ、2人の共通項ときたら、同じサイトにハンドルネームで登録していることくらいだ。あとは、乏しい会話力が致命的だが、年齢といい、家族構成といい、仕事といい、格差は大きすぎる。でも、彼女は何か積極的に話しかけてくるわけではない。よくは覚えていないが、ポツン、ポツンとした会話が時々生まれるのだが、沈黙の時間も生じる。たどたどしいタイ語と日本語の会話、ワンセンテンスを終了させるのがやっと。そこから、突っ込んだり、突っ込まれたりの力はない。でも、特別なことはない。カメもそうだ。目的もなく、ただ漫然とボーッとしているだけ。空気を吸って吐いての繰り返し。ただ、それだけ。隣とか、周辺の存在は気にしない。お互いに存在を消し去り、空気になってしまうこと、か。無って奴だよなぁ。

「空」と「無」、多分、彼女はそれができる。彼女には「退屈」の2文字がない。何かをしたいとか、しなければならないとか・・・がないから出来る。目標とか持つと面倒くさいんだよなぁ。タイ人の恋人の話に及んだ際、彼女は「タイの若い男は、面倒臭い」と呟いた。また、翌日の午後、中華街で食堂に入ったとき、混んでいて、レジ脇の小さなテーブルしか空いていなかった。カメなら、他のもう少し良い店などに移ろうとするが、彼女は簡単にそこに落ち着いた。ま、そうするしかない、というわけで、選択肢がない、ということは考えなくていい。ほんま、これがマイペンライやなぁ、と思った。
どうも、彼女にとってのマイペンライは「面倒臭い」が最も大きな比重を占める気がする。日本国内では「問題ない」「気にしない」、「大丈夫」、「どういたしまして」などと翻訳される。
ちなみに、本格的に「マイペンライ」を検証してみたら、タイ文字で「ไม่เป็นไร」(表記されるかどうか)。
発音は「mai bpen rai」 。意味はไม่が「not」、เป็นが「is」で、ไรは「what; where; which; when」だそうだ。
懐かしい「5W +1H」なんて、タイでは糞食らえってとこだ・・・。