2009/11/30

◎「THA PHAE GATE」はカメの自由の女神・・・



にしても、四角く囲まれたチェンマイ市街地を散策していて不安に駆られることが多い。「ティニィ、ティーナイ」(ここは何処?)状態である。磁石を持ち歩くようにはしたが、それでも、その寸前まで目印にしていた高層ホテルが姿を消してしまったり、突然、思いもよらぬ高層ビルが出現して驚かされたりする。遠くの山並みはいつも雲がかかっていて、ほとんど見えないので目印にはならない。チェンマイで高層ビルといえば、いずれもホテルで、それらはいずれも、旧市街地の中(お堀の内側)にはない。お堀の中から見て、目印になるホテルは幾つもないのだ。
このいつも感じる不安感は、普通は街の拠点となる公共交通機関がチェンマイにはないからだろうと思っていた。そうした駅があれば、街のイメージが、街の区画がはっきりと脳裏に描ける。そんな拠点が見つからないチェンマイでは、だから、歩く度に街の景色が一定ではないような気がする。
でも、滞在3週間が過ぎた先日、自転車で巨大スーパーまで遠出したときのことだ。市街地からは10km以上離れている。暗くなる前に帰ろうと決めていたのだが、久々のスーパーでついつい見とれてしまっていた。
夕暮れが迫ってきて、知らない街、初めての街をスタートして、チェンマイ市街地まで、無事に戻ることができるのか。俗にスーパーハイウェーと呼ばれる高速道路をひたすらペダルを踏む。ここは、市街地へ向かっている直線道路ではなく環状道路だ。ほんとに、大丈夫なのか。次の交差点までがやたら長い、距離がある。ヒヤヒヤしながら、かなり走った後で、道路標識に「CHAING MAI」とあって、何やら一安心、嬉しくなった。車列に飲み込まれるように左折して間もなく、今度は「YAWARART BRIGE」「THA PHAE GATE」の2つが併記された標識が出てきたときは、これで間違いはないと確信し、「やったぁ!」と雄叫びを上げたくなった。
ターペー門とヤワラート橋だ。観光地図などで何度か目にしている地名だ。特に、ターペー門となれば、ホテルやゲストハウスのパンフ類にも「ターペー門から歩××分」といった表記は多い。
なるほど、なるほど、ここチェンマイ市街地の拠点はターペー門なのだと納得した。だから、夕闇の道路でカメが見た交通標識の「THA PHAE GATE」は、まさに自由の女神に違いない。