2009/09/17

◎イージーライダーが示唆、いま青春しているカメ・・・


にしても、66歳のカメはいま青春しているのかな、と思った。
先夜、NHKの衛星映画で「イージーライダー」を見てのこと。
マリファナ密売で儲けた大金をタンクに隠し、真のアメリカを求めてオートバイで放浪の旅に出る二人のヒッピーを描いたアメリカン・ニュー・シネマの代名詞的作品。1969年の製作だそうで、ならば昭和44年、東大安田講堂で攻防戦があって・・・、その年のカメはノー天気なまま広告代理店に勤めて丸3年が経ち、何と身勝手なことに、夏の暑さに辟易して退社したころ。で、秋には出版社に入り、翌年春には新聞記者に転身できていたのだから、いい時代ではあったのだが・・・。
この映画どころか、アメリカン・ニュー・シネマとは全然縁がなく、この歳になって見るというのも、何かの因縁かも知れない。 イージーライダーは元々は馬をバイクに乗り換えた現代の西部劇を目指して創られたそうで、そこで描き出されたのはドラッグ・カルチャー、余所者への強烈な排他性、そして名ばかりの“自由”という現代のアメリカだった・・・といった評は評として・・・。
それまでの映画づくりの定石であったハッピーエンドをアンハッピーエンドにして、悲運に打ちひしがれて、自由とは何か・・・といった具合に人生を深く考える若者の姿が胸を打つのだろう。棺桶に半身潜り込ませたカメでも、イージーライダーを見た後、広野をバイクで突っ走る二人の若者の姿が、バンコクで大きなDバッグを背にうごめくカメの姿とたぶってきて驚かされたのだ。 そう、「これぞ自由!」というものなんだろうなと二つの映像を脳裏に重ね合わせ、何となく納得したのだった・・・。