2009/11/07

◎夜空を彩るコムロイ(熱気球)の舞いに酔う




にしても、知らない町、初めての町を無闇矢鱈歩くものではない、と悟った。それも、パンダ女史に散歩好きなどと吹聴した手前もあって、昨夜食事したレストランぐらいは辿り着けるだろうと、見当をつけて、昼前から歩き始めたのだが・・・、とんでも8分で、歩いて10分とはいかなかった。かつて都の在ったその当時の堀と街路は残しているのだが、車で移動するパンダ女史の時間と距離の感覚と、カメのそれとでは雲泥の差だった。
特に、パンダ女史の場合、「車で10分」は口癖のようだ。最初、チェンマイは狭いから、そんなもんか、とも思っていたが、歩いてみれば、そんなことはない。やはり、時間と距離の感覚は車と徒歩では、まったく違う。改めて、実際に歩いてみて、車で10分となると、かなり遠くまで行けるし、昨夜も旧市街からはかなり離れたところまで行っていたような気がした。直ぐ傍のレストランとはいかないのだ。
その夜は、ロイクラトン祭りの最終日で、市街地の東側を南北に流れるピン川をゆったり下るナイト・クルーズが催され、カメはその乗船券を1枚(400BT)、パンダ女史から購入し、5時30分ごろパンダ女史の車で、船着き場があるお寺の境内まで行く予定だった。
昼間のカメは歩きに歩いて、ようようホテルに着いたのは午後5時を過ぎていて、シャワーを浴びる間もなく、あっという間に、パンダ女史が到着。で、車に乗ってから、その日のカメは第一目標としていたレストランには辿り着けず、代わりにIPプラザに行き当たって、今回何故か忘れてきてしまったUSBメモリー(4G)を買えたと報告。でも、パンダ女史は上の空の返事で・・・。ムフッ。
お寺の境内の駐車場はラスト1に、ぎりぎりセーフだったが、出航までほぼ2時間待ちとのこと。川に繋がる階段から、バナナの葉で作った灯籠にローソクや花などをのせた「クラトン」という灯籠流しに興じる母子らや、コムロイ(熱気球)の打ち上げにデジカメを向けて時間待ち。
どうやら、この川下りはご当地のライオンズクラブの主催のようで、パンダ女史もその会員で、顔の広さをアピールしていた。
50人ほど乗せた屋形船は川面に映る橙、赤、白の明かりを揺らしながら、ゆるゆると浮世離れした流れに身を委ねて移動する様は、まさに、これぞリラクゼーションの極みといった趣きで、カメが夢幻に浸れるお気に入りな時間となった。
下船後、もう10時は過ぎていたか、パンダ女史の車でホテルまで送ってもらう途中、祭りの最終日とあって、殊更ひどい渋滞に巻き込まれ、明日朝の仕事がいつもより早いといっていたパンダ女史のイライラが伝わってきたので、抜け道のあるところでいいですと気配り自慢のカメは、そこで車を降りて、ホテルの方向に向けて車とバイクと人並みの雑踏の中を歩き始めたのだった。