2011/07/25

◎アナログ放送と大関・魁皇と桂三枝と・・・


にしても、昨日は58年間続いたテレビのアナログ放送が幕を下ろしてデジタル放送が始まり、一つの技術の盛衰を初めて見届けた気がしてちょっとした感傷にとらわれたが、このところ人の生き様でそんな幕の上げ下げを見せていただき、少々感慨に耽った。あの大相撲の戦後最年長大関で通算最多勝利記録を達成して引退した魁皇(38)とカメと同じ齢で上方落語の大名跡、桂文枝を来年7月に襲名すると発表した上方落語協会会長の桂三枝(68)の2人。
相撲取りにとって栄誉といえば優勝回数であって、通算勝利数なんてものはおまけみたいなものだ。魁皇などは綱を張っていればこれほど長く土俵に上がれなかっただろうに、大関のセーフティーネットに救われつつだらだら務めていれば白星は自然に積み上がってくるもの。本来なら30歳を超えた横綱、大関なんて、力をつけた若手がどんどん土をつけて引退に追い込むようでなければならないのに、それを許してしまうところにも大相撲の衰退がうかがえるのだ。
当然の引退、やっと引退したかの魁皇と違って、桂三枝の文枝襲名宣言には心底驚かされた。何せ、カメの同級生、カメが社会人になった1966年に桂小文枝(五代目文枝)に入門して45年、カメがいまも楽しみにしている「新婚さんいらっしゃい!」などの司会を務めつつ「三枝」の名前をこれだけ大きくしてきただけに、もう大満足なのではないかとカメなどは感じていたのだが、先日、桂文枝襲名宣言のテレビニュースで「新しい『平成の文枝』をつくろうと思っています」と決意を述べているのを見て、とうに人生の幕引きを終えたつもりのカメはそのパワーに驚くとともに、それこそもう1度生きてみようとする三枝の生命力にただもう呆れるしかなかった。