2011/05/28

◎王侯貴族の気分、味わいたかった・・・


にしても、一生に一度は王侯貴族の気分を味わってみたいものだとかねがね思っていたが、やっとチェンマイでそれがかなった。なに、それほどのことでもない。椅子にふんぞり返って、足の爪を切ってもらいたいとのささやかな願望・・・。このところ、足の爪に関しては、前屈みになるのが辛く、息苦しく、考えただけで、喉がぜいぜい鳴り、億劫になり、いよいよとなる(靴の先端に当る)まで先送りして、その時は深呼吸を何度もしながら呻吟し、ようようの思いで爪を切っている。終わって、いつも、こんな責め苦はない、しかも自らやるんだから、もう二度と足の爪は切りたくないと思うのだ。

マイ自転車でチェンマイの街をウロウロしていたら、床屋で太ったアメリカ人が足の爪を小母ちゃんに切ってもらう姿を見つけた。こりゃ、いい、行ってみようとあたりをつけた。実は、床屋での足の爪切り、手の爪切り、バンコクでは盛んで、しばしば目撃して一度はと思っていたが、爪を切るのがボディコンの若い娘で、いかにもいかにもなので、幾らボラれるかとそちらで怖気づいて、チャンスを逃がしていたのだが、チェンマイのホントのホントの小母さんなら、ボルこともないだろうし、看板にも「Nail Care Manicure 90」と表示しているし、もし、「1本90bartだよ」なんて、とんでもない金額を請求されたら、居直ってもみようかなとは思った。この歳になっても、妖しげな初体験には結構、それなりの決意と覚悟がいるものよ、なぁ。
で、昨日、昼飯を食った後、爪を切ってもらいたくて、その床屋へ行った。正真正銘の小母さんが3人いて、理髪師の”免状”を持っているのはうち一人、彼女に頭髪のカットと顔剃りをして、あと手と足の爪切りを頼んだら、爪に関しては「カット」「カット」と何故かしつこく確認された。

カットと顔剃りで20分ほど。あとは本番の、ソファーに座っての爪切りと相成った。ぬるま湯を入れた何とポリのタライ4つとマニュキアセットが慌しく用意され、小母さん2人を前にカメは両手両足を伸ばして応じたが、先ずは手と足を一本ずつそれぞれのタライに入れて、爪を軽くブラシで洗って、タオルで拭いて、爪にメンソレータム様のものを塗り、いよいよ爪切り。そして、微細なヤスリを使った仕上げは心地良い。何か、侍女2人を従えてフムフムの構図で、実はデジカメも持参していてこの図を記録に残したかったのだが、何故か頼めなかった。というか、王侯貴族とは違い、所詮は庶民の子、カメはいささか緊張して、残念ながら寛げなかった。
爪の手入れは20分ほどで、料金は頭髪カットと合わせて310bart(930円)。高いのか、安いのか、東京でもこの足の爪切りサービスがあれば、カメはぜひ行きたいと思う。