2015/10/16

◎ガン切らず 騙し騙しで 幾つまで

にしても、このところ不覚にも死の淵を必死で駆け巡っていたようだ。目に見えぬ不安、死への恐れ・・・怖いの一色に周章狼狽していたと思う。2泊3日の検査入院で目が覚めた。カメの体の現状が認識でき、ひと安心、妙な不安は消えた。
入院前夜は、さすがに興奮してなかなか眠れず。入院誓約書の親族、連帯保証人についていずれも「なし」、それが通らないようなら検査はキャンセルしようと思った。冷静に振り返れば、現状では、喉の不調を除けば、他に不具合は何もない。タラレバでいえば、「何もしない」選択肢が生きてくる。いま、あちこち手を突っ込んでグチャグチャにするよりも、何もしないのも一理あり、だ。

朝の入院受付時にそれは問題とはされず、胃カメラ検査が終わってベッドに戻ったところから看護師が入れ代わり立ち代わり、身上調査に顔を出し、身内或いは親族の連絡先を聞き出そうとするが、こちらはずっと疎遠になっているので・・・で押し通した。とはいえ、身内もいない、親族もいないというのに、手術してまで健康を回復して、誰が喜んでくれるのか。また、本人に何かやり残したこと、やらなければならないことはあるのか・・・なんていうのはカゲの声だ。
2日目、気管支鏡検査の日、昼過ぎからの検査を前に担当医が、事務方から強要されたのだろう、突然姿を表し「入院には社会的ルールがあり、医師と患者だけの関係ではない。どうしようもない」と身内の連絡先を求めてきた。最後の切り札の登場だ。カメの気持ちは固まっていたが、検査前なので飲み込んだ。

☆ガン切って 抗ガン剤で 延命か
胃カメラは辛い、何とも辛い検査だった。ナースが背中をさすってくれるのが大きな癒しになった。モニターが見られる位置にベットはあったが、チラともみられなかった。気管支鏡検査は、点滴しながら、心電図をとりながら、内視鏡を挿入されたが、胃カメラの時よりも麻酔を多く使ったため、辛さは感じなかった。検査結果は23日になる。

ほんの気まぐれに、里心がついて? 覗いたつもりの世間の風は何とも刺々しい。やっぱり外道の世界がいい、望んで積極的に足を踏み入れてもう10年か。すっかり馴染んできたと思っていたのに、である。これを里心というのかどうかは知らないが、俗世間の風を久々に浴びて、ついつい長居をしてしまったようだ。孤古老には当然ながら居心地は良くない。世間のルールが様々ある。面倒でならない。当然承知の上だったのだがねえ、だ。阿呆らし。ベットの上は5・7・5を撚るにはいいかもしれない。結論が出たよ。どちらを選ぶかは、人それぞれ・・・。
ガン切らず 騙し騙しで 幾つまで
ガン切って 抗ガン剤で 延命か