2011/01/20

◎“笑いの仕掛け人”横澤彪氏追悼番組の怪・・・


にしても、やはり今冬の厳しい寒さのせいもあるのだろう、年明けから、女優・高峰秀子さん86歳、元NHKディレクターの和田勉さん80歳、 ダークダックスの「パクさん」高見沢宏氏77歳、「奥飛騨慕情」の竜鉄也さん74歳、ロカビリー歌手の山下敬二郎さん71歳、俳優の細川俊之さん70歳・・・と、 年齢がカメに近い、心情的にも非常に近い方々の訃報が相次ぐ中、最も気になったのは「オレたちひょうきん族」や「笑っていいとも!」などを手がけた元フジテレビ・プロデューサー、横澤彪氏73歳。ひょうきん族は毎週、楽しみにしていて、テレビを見ながら声を出して笑うことも多く、特に『楽屋落ち』には笑いが止まらなかったし、まさに、現代の“笑いの仕掛け人”と敬愛していたのだが、そこはサラリーマンなのだろう、何故か、定年前に 吉本興業に移って驚かされたものだ。つい最近は、NHKの番組で爆笑問題のインタビューを自宅で受け、横沢氏は照れながら「いまはコレ・・・」と肩書きに「家事手伝い」と刷り込んだ名刺を渡し、爆笑問題の2人を相手に当世お笑い事情を気分良さそうに喋っていたのを、何か”拾い物”をしたような気がして見て安堵していたら・・・の訃報だった。で、ここは当然、フジテレビは追悼番組を企画するだろうし、どんな番組を放映するのか興味津々だったのだが、それが17日の23:00 からBSフジで「横澤彪さん追悼特別番組 堂々現役~巨匠からのメッセージ~」と銘打って放映され、録画して視聴した。それは、BSフジで昨年秋に放映された1時間足らずのインタビュー番組「堂々現役」がそのまま再放送されただけだった。そこでの横沢氏は、お笑いをテーマにしていながら、多分、学者MCの生真面目さと、お笑いに対する上から目線を気遣ったのか、或いは、体調が優れなかったのか、ひょうきん族での自由闊達、奔放さは微塵も見られなかった。これは、“笑いの仕掛け人”に対する冒涜だろうし、何とも情けなく、サラリーマンの悲哀を感じた。もし・・・は許されないが、カメがフジテレビのエライさんだったら、こんな番組は絶対追悼番組にはさせないし、ちょっと再編集するだけで、笑いの渦の中心で弾ける若き横澤彪氏を甦らせただろう。何とも、口惜しく、残念でならない。あぁ~フジテレビ、よ、だなぁ。