2011/10/04

◎「暴力団は社会が排除」「子供は社会が育てる」


にしても、警察庁が全力をあげる暴力団排除の動きは亡国の末期症状といえるのではないか、そんな気がする。島田紳助の突然の引退劇に何となく胡散臭さを感じていたのだが、暴力団排除条例(暴排条例)がこの10月1日から東京都と沖縄県でも施行され、全国一斉に暴力団排除に積極的に取り組んでいくというのだが・・・、どういうことなのか。TVのニュースやCFでは明るく楽しい市民社会のムードを盛り上げながら「社会から暴力団を締め出そう」とか「市民の手で排除」とか唱えていたが、こりゃ、警察の職務怠慢、或いは職務放棄ではないのか。これまで一般市民が日常生活でほとんど無意識に接していた暴力団との関係を特定し、公にして、関わりを持たないようにしなければならないというのだから無茶苦茶だ。親が我が子に「あの苛めっ子と遊んじゃ駄目だよ」というようなものだ。噴飯物のこの条例、一体、誰の発案なのか、特に芸能界では戦々恐々として生真面目に取り組んでいるというのだから茶番も極まれりだ。暴力団排除をいうなら、パチンコの景品買いや風俗営業関係の取締りが先なのではないか、と思う。こちらを黙認していて、市民に排除の責務を負わせるとは何とも腹立たしい。大災害に被災しても、市民個人個人の命と財産を国は守ってくれず、安穏と市民生活を送っていても警察は市民の命も財産も守ってくれない、自己責任だよ、となれば、そんな国はやはり消滅していくしかないだろう。
民主党は「こどもは社会が育てる」といい、警察は「暴力団は社会が排除する」といい、「社会」さんって一体どこの誰? 何処にいるの?