2006/10/06

◆マニュアル社会が加速している・・・

にしても、マニュアル社会が加速している。飲酒運転による悲惨な死傷事故のニュースを見る度に、その感を強くする。
「飲んだら乗るな」は鉄則のはずなのに守られない。こんな鉄則はそもそも道徳の範疇に入る。社会生活を送る上で当たり前のことだ。それが守られないから道路交通法で酒酔い運転に罰則が設けられ、さらに罰則を強化し、刑法改正によって「危険運転致死傷罪」まで新設される事態になったのは、何とも情けない。
「道徳」を国語辞典(大辞泉)で見ると、人々が、善悪をわきまえて正しい行為をなすために、守り従わねばならない規範の総体。外面的・物理的強制を伴う法律と異なり、自発的に正しい行為へと促す内面的原理として働く・・・とある。
道徳の荒廃がいわれて久しい。家庭での躾けから学校教育まで、みんなおかしいと気が付いていながらも、豊穣の世を謳歌するのに忙がし過ぎて、誰もが見てみぬ振りをしてきた付けだ。
カメは運転はできないから、飲酒運転の心配はないが、時に立小便は我慢できなくなるし、横断歩道での信号無視はするし、何よりタバコの投げ捨て、ペットボトルの放置など数え上げれば数限りなく、お恥ずかしい限りなのだが・・・。自分のことしか考えない、自分さえ良ければいい・・・という風潮が蔓延して、そこにカメも埋没しているわけで、残り少ないロスタイムぐらい身勝手、我侭に過ごしたいものと思う。
いまや道徳も罰則を課す法律で律せられるようになるとは、まさにマニュアル社会だ。マニュアルがないと仕事もできない、マニュアルがないと道も歩けない。職場でのマニュアルはいまや必須条件になっている。道路を歩くのに、マニュアルを見ながらとは、何とも息苦しく、住み難い世になったものだ。