2007/01/12

◇複雑怪奇、魑魅魍魎が跋扈する世界を垣間見る

にしても、脳外科病床で高齢者の生き様を微かながらに垣間見て、何ともいいようのない複雑怪奇、魑魅魍魎が跋扈する世界に目眩を感じ、このままでは圧死しかねないと一時は体が強張ったものの、直ぐにその世界からは目をそらし、その状態が依然として続いている。
50歳を超した男たちが救急車で運ばれてきて、脳外科の手術を受ければ、その結果について、その評価は本人も含め立場立場によって千差万別・・・まるっきり違ってくるだろうし、カメは他人様のことまで詮索しようとは思わないし、そんな余裕もない。でも、一人ひとりの命の重さは感じさせられる。

カメは麻酔から覚めて、くも膜下の手術を受け成功したと知らされ、ぼんやりとだが、自分の深層の血流の流れを感じ、生命力の紅い灯が灯るのを瞬間的に実感し助かったんだと思うとともに、このまま死んでいてもよかったんだとも・・・。命の不思議、命の神秘を感じさせられた。

4人部屋のカメの場合、同部屋の中でカメの症状が一番軽かった。それは、後遺症がまったく見られず、トイレも独りで用を済ませられたからだ。ことほど左様に、介護とはその程度の差でも大きな違いになってくる。
同室者の様子をうかがっていても、それぞれ個人的なバックグラウンドはわからない。推測では現役で仕事をしているのは50歳代の1人だけ。カメを含め他の3人は国家ニートにしかみえない。