2014/01/19

◎半日ツアーでスカルの果てを見た

目を細め、顔を少し動かしながら見てください。誰かの顔が浮かんできます。
にしても、あんなことこんなこと、あれこれ書き残したいことがあるようなないような、終の棲家で過ごし、そんな心情だからなのか、波間に揺れる小石がAさんの顔に見え、あれあれどうしたんですかと声にならないほどで呟いたと思ったら、返す波に揺らいだ小石がBさんの顔に見え、ついついご無沙汰してましてと呟いたり、白砂に転がり、波に揺らぐ小石が、Cさんじゃないですか、そんなに瘦せちゃってどうしたんですか、なんて角度とか光の具合で、波に洗われた小石がこれまで出会ったあの方この方、お世話になった方々の顔に見えてくる不思議を体験した。
プーケットは南洋のリゾートだけに体験ツアーがふんだんに用意されている。 『象乗りツアー』 とか『ラフティングツアー 』、ビーチに出ればその場でトライできるパラセイリング、ジェットスキー、バナナボート、趣向を凝らしたツアーも多い。でも、この歳が歳、やたら疲れる。やはり、ビーチをウロウロするだけでかなり消耗するようだ。それは実感した。無理は出来ないな、と。でも、帰国のカウントダウンが始まると、どこかへ出かけたくもなる。それも、やはり海だ。各所にツアーデスクが設けられていて、時々のぞいていたのだが、ついに見つけた。「Half Day TOUR」、それも「Afternoon」とあった。スピードボートに乗って小さな無人島カイに上陸して、泳いだりスノーケリングしたり、日向ぼっこを楽しむのだという。渡りに船とはこのことだ。

翌日昼、バン型タクシーに12人詰め込まれて1時間以上、プーケットタウンの乗り場でもう1台のお客さんと合流、総勢25人ほどがスピードボートに詰め込まれてスタート。ガソリン臭がきつい上、揺れに揺れて・・・。些か参ったが、無人島では、昨日セールで見つけたゴーグルをつけスノーケリングにトライも、魚の数も種類も少なく興醒め。船酔い覚ましに波打ち際をそろそろ歩いていたら、ふっと懐かしい顔が次々に浮かんできて、つい郷愁に耽った次第・・・。小石の顔は、スカルよりも崩れていて、何となく切なく映った。