◎これが因果応報、輪廻転生なのか・・・
にしても、これが因果応報、輪廻転生なのかと昨土曜日の午後、ガラクタ市で知られる歩行者天国を訪れ身につまされた・・・なんて他人ごとのようにいって、実はカメ自身の姿そのものなのに認めたくない、このノー天気か・・・。
このガラクタ市、チェンマイ市の北東部、大学キャンパスにはさまれたバムルンラート通りとその延長道路1kmほどで、毎週土・日の昼下がり開催され、写真でご覧のように、こんなもの何処の何方が金を出して買うのかなというものから、ほんとうに売れると思って出品しているのかなというものまで、実に雑多。それだけに、来場者は観光客よりも地元の庶民が圧倒的に多く、そこでの会話を楽しんでいる部分も多く見受けられる。
歩き始めて間もなく、目に飛び込んできたのが、座禅する高僧を背にのそっと歩む黒カメ、おいおい、こりゃカメじゃないか、こりゃ何かの行なのか、罰なのかと想いを馳せ、たちまち辿り着いたのがほぼ半年前、同じこの市でGに惚けた痴態を恥かしげもなく曝け出し悦に入っていたカメだった。ひょっとして、その祟り? なんて、この黒カメが何とも愛おしく、屋台主に身振り手振りで頼み込み、小さな木椅子に乗せデジカメに収めさせていただいた。そこで、もう常套句になっている「タオライ、カップ」(これ、幾ら?)に対して、返ってきた答えは「ホッ
ハーン」。「ホッ」とは「6」だが、「ハーン」はどの位?
聞いたことがないが、ひょっとして、60万とか6万THBとか、とてつもない大金のような気がした。もちろん、両肩を竦め、両手を広げて大仰に驚いて見せたが、本当は幾らなのか気になってしょうがない。
で、そのまま歩を進めていたら、やはり仏像を展示している屋台で「ホッ
ハーン」というやり取りが聞こえた。石像の頭部の値段だった。黙ってじっと見ていたら、女店主が小さな木椅子に座りなよと示したので遠慮なく座って「ホッ
ハーン」とおもむろに繰り返し首を傾げて見せると、メモ用紙にボールペンで「6000」と書いて見せてくれたのだった。それでも、「千ならパーンだよなぁ」と俄かには信じがたく、もやもやを引きずりながら部屋に戻りチェックしてみたらどうだ。確かに、「千」の発音をカタカナで書くと「パン」なのだが、アルファベット表記だと「phan」となり、これをカタカナだと「ファン」とも書ける。これをカメの耳が「ハーン」と聞いたのだとすれば、なるほど納得なのだ。日常のショッピングでは「ローイ」(百)までで、「ハーン」を聞くことはまずない。
昼下がり、さらに屋台をのぞきながら歩いていたら、ナニを抱きかかえた例のGサルも目にしたが、隅っこに追いやられていた。黒カメにはつい「頑張れ!」と声にならない声をかけ瞼を熱くした。