2008/07/09

◎金とコンピュータが21世紀の世界を動かす


にしても、新しいPCが届くのを待ちながら、そういえば人を信じられなくなっている、と思った。まるで恋人を待つようにワクワク、ウキウキしていたのだ。
そう、今の世の中は人よりもパソコン、コンピュータを信用し、市場原理主義を標榜するマネーゲームに狂奔する時代になって久しい。
21世紀に突入して、世界を動かすキーワードが2つ、明確になってきた。金とコンピュータだ。そんなはずはない、そんなことがあってはならない・・・と思ってはみても、現実の社会はどんどんその2つのキーワードによって動かされ、その2つのキーワードが権勢を振るう。人はただそれを指をくわえて見ているしかなくなっている。或いは、それに飲み込まれて振り回されるか。
近頃では、その2つのキーワードによる社会システムが構築され、価値観までも醸成されてきたように思う。そこには金の幻影とコンピュータによるバーチャル世界しかなく、その2つが如何に快適に、スムースに展開できるかがテーマであって、人間が生きるための哲学など望むべくもない。
端的にいえば、例えば、コンビニの若い店員を見ればいい。商品知識はもとより、価格も知らない。ただ、レジで渡された商品のバーコードを機械に当てて読み込むだけだ。それ以上でも、それ以下でもない。ただ、ひたすらバーコードか、コンピュータか、自分自身をそんなデジタル情報に同化させて、もはや機械の一部になっている。
で、コンピュータが止まったり、故障したら、復旧するまで人間はしょうがないと、じっと待っているしかない。人間と違って、コンピュータが間違いを犯すことはないという゛神話゛がすでに誕生しているのだ。
ファンドだとか、オイルマネーとか、巨額な金の動きは予測ができない。まるで、ジェット気流に押し流されるように一気呵成に流れ、旧体制下で人間が営々と築いてきた文化的、民俗的資産なども情け容赦なく薙ぎ倒して、あっけらかんとしている。それどころか、信じがたいことに、その間に金が金を生むという摩訶不思議なマジックが展開されている。そこに、人間の倫理も信義も存在しない。もちろん、哲学も、だ。