2016/01/20

◎末期がん 痛いは御免 迎え来い

にしても、さすがNHKというか、クローズアップ現代、昨19日放映の「"最期のとき"をどう決める~"終末期鎮静"めぐる葛藤~」は見ごたえがあった。末期がん患者の痛みを鎮静剤で緩和し最期を迎える"終末期鎮静"が在宅で静かに広がっている、というのだ。浅学菲才がまた露呈してしまったようだ。"終末期鎮静"とは何なのか。NHKの番宣ホームページよよれば、こうだ。
いま、在宅で療養する末期のがん患者に、「終末期鎮静」という新たな医療が静かに広がっている。耐えがたい苦痛を取り除くために鎮静剤で意識を落とし、眠ったまま最期を迎えるというものだ。最新の調査では、在宅で亡くなったがん患者の7人に1人に行われていたことがわかった。自分の意志で、眠ったまま苦しむことなく死を迎える患者。その一方で、遺族の中には、「“終末期鎮静”に同意したことで、患者の人生を終わらせてしまったのではないか」と悩んだり、罪悪感にさいなまれたりする人もいる。自宅で最期を迎えるがん患者が増える中、終末期の医療はどうあるべきか、考える。

番組を視聴しながら、「これは安楽死。殺人じゃないか」と思ったが、どうやらこの在宅診療はあちこちで行われているようだ。かつて、「安楽死」と「尊厳死」に関しては調べたことがあり、安楽死は殺人、尊厳死は自死と大雑把に区別し、前回ブログでも問題提起したが、やはり新たな生命倫理に基づく国による制度改変、法整備が必要不可欠なのだが、テーマがテーマだけに先陣を切る御仁は出てこない。クローズアップ現代の真意は不明だが、大きなタブーに一石を投じたことは間違いないし、いまの終末医療、已むに已まれぬ現場が一歩も二歩も先行していると感じた。