◎上海パワーが世界を席巻する!?
にしても、機内アナウンスで着陸20分前を告げられた後、小窓に顔を寄せて見た上海の景色、眼前に広がる街並み、住居ビル群の広がりは、久々のカルチャーショック、すっかり涸れていたカメの体の深奥から生じる血湧き肉踊る小刻みな震動を感じていた。2、30階建てか、整然と、そして延々と伸びる巨大な団地ビル群、そのエネルギーは半端ではない。入道雲のようにモクモクと湧き上がってくる無言の圧力が窓越しにも伝わってくる。そのオーラは何とも強烈だ。こりゃ日本なんてチャンチャラおかしい、勝てるわけがない、こりゃ歯が立たないと痛烈に感じた。と、同時に、この街で、つい、ひと勝負してみたくなった。この街でなら、まだ、あと、これから10年あれば、十分結果を出せそうな気にもなって、1人、苦笑いしていた。いや、はや、年甲斐もなく、お恥ずかしい。
ま、これが、お国柄というものか、とも思った。何度か訪ねたタイでは、こんな印象を受けたことはない。タイの上空には怠惰の空気が奥深く淀んでいて、怠惰なお肉に包まれたカメは、大好きな怠惰と絡み合ったまま滑走路に進入、怠惰では負けないぞと意気込んでみせたもの。この差は何たるチアだ。
さらに、驚いたことに、「中華」のプライドなのだろう。インターネットで世界中を席巻していると思っていた英語がほとんど通じない。何といっても中国、上海語であることを思い知らされた。空港での案内表示板も漢字ばかりで、英語はあくまでも補助的な表示で、カメなぞは飛び飛びに見覚えのある漢字を繋ぎ合わせて推測するしかない。一連の通関チェックは終始無言で通した。向こうは一言、二言何かいっているようだが、カメはチンプンカンプンだ。
空港だけでなくホテルでも同様に上海語しか通じない。というより、こちらからフレンドリーに拙い英語で話しかけても、表情も変えず、話に耳を貸そうとしない。ま、カメの目からすれば、ツンツンしているように見えるのだ。それは、1人2人ではない。ほぼ全員一致している。これが、 東夷を見る目なのかとも感じた。Googleが撤退したのも、むべなるかなだ。やっぱり、マイペンライのタイがカメの肌には合うと確信した。
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