◎浜岡原発の運転停止、いってみただけなのか・・・
にしても、菅総理が中部電力に稼働中の浜岡原子力発電所の全ての原子炉について運転停止を要請した・・・との緊急記者会見(6日午後7時すぎ)にはさすがに仰天した、ね。そもそも「運転停止」とはどういうことなのか。総理大臣に原発を止める、そんな権限はないはずだ。他人の家の座敷に土足で上がり込むようなもので、聞いているだけで不快、腹立たしかった。
会見で質問され、菅総理は浜岡原発の運転停止を、「要請」という形で求めた理由について「指示や命令は、現在の法制度では決まっていない」と述べ、現行法では運転停止命令はできないと説明し、「要請」は法的根拠に基づくものではないことを認めたうえで、「(中電には)十分にご理解いただけるよう、説得して参りたい」と述べたという。 浜岡原発は、高い確率で発生が予想される東海地震の震源域に近いことから、ずっと昔から安全性に関して喧々諤々、日本の原発の象徴的存在として知られている。それが、いま何故運転停止・・・、だ。
菅総理に続いて記者会見した海江田経済産業相は、中部電力の水野明久社長にその件を電話で要請し、その際、水野社長からは「最終的返答は保留させていただきたい」との発言があったことを明らかにしたそうだ。
法的根拠に基づかない「要請」とは何なのか。聞きおくだけでもいいのではないか。妙な話だ。こりゃ、権力を手にした市民活動家が愚かにも勘違いして何と自虐的な独裁者の真似を始めたのではないのか。思いつきで、何の責任も持たない状況で出した菅総理の愚かなパフォーマンスのような気もする。後になって、「いってみただけ」なんていわれちゃ、目も当てられない。本当に運転停止させるのなら、法律や規則の規定に基づいて運転停止させるのが筋だし、適当な法律がなければ、新たに制定して執行すればいい。そうした王道から外れて「要請」なんてものを通そうというのは、もはや苦し紛れの自傷行為にしか見えない。巻き込まれる羊の群れはたまったもんじゃない、よなぁ。先日、内閣官房参与を辞任した放射線防護の権威、 小佐古敏荘・東京大大学院教授は辞任にあたって、原子力災害の対策は「法と正義」に則ってやっていただきたいと悲憤慷慨のコメントを残している。
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