◆拾い物だった「ALWAYS 3丁目の夕陽」
にしても、思いがけず良く出来た、いい映画だった。4chの金曜ロードショーで何気なく見た「ALWAYS 3丁目の夕陽」。拾い物だった。いつも夕食後にテレビで見る映画はほとんど途中でゴロンと寝てしまうのだが、しっかり見終えた。
カメが中学時代の昭和33年、東京・下町の庶民の生活と風景を再現してちょっと懐かしくはあったが、山の手育ちのカメの記憶からはほとんど消えている。都電も確かに走っていたが、その風景は覚えていないのだ。東京タワーは見えなかった。駄菓子屋で買い食いしたこともない。一体、カメは何をしていたのか。石原慎太郎が太陽の季節で芥川賞を受賞したことだけは記憶にあるのだが、他の記憶はすっかり飛んでいる。
予備知識なしに観たのだが、まぁ、旧いアルバムを眺めている感じだった。日本人が大好きなよくある人情話で、子役が何より良かったし、大人が食われていた。薬師丸ひろ子は母親役になっていたが、幾つになったのか、相変わらず可愛く、嬉しかった。ただ、集団就職で上京してきた堀北真希の容姿は貧しい時代背景とちょっと違和感があった。
また、ビッグコミックオリジナルの連載漫画「三丁目の夕日(西岸良平)」が原作とも知らなかった。何とも、情けない次第なのだが、もう30年ほど前から漫画のパワーを認識していたカメには、なるほどと納得できた。
邦画でも、これだけの作品を作れるんだ・・・と、世知に疎くなったカメはいたく感心しながらも、ロスタイムの長さについ溜め息がでた。
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