2016/04/28

◎昼寝して することもなき 夜もすがら

にしても、一週間経って、やっとプーケットに馴染んできたというか、心身ともに平常心を保てるようになった。最初のホテルは格式はあるのか、些か古くて暗かったが、今滞在しているホテルも造りは古くいまいち、浮き浮きはしてこない。それでも新天地には旧式のタイ食堂があって、こちらはお気に入りになりそうだ。とはいえ、まだ、ビールは一度しか口にしていない。その時は何となく気分を高揚させたくて、無理やり350ml缶を開けたのだが、二口、三口で直ぐ冷蔵庫に戻し、暫くしてから流しに捨てていた。
夜は9時ごろにはベットインし、朝は4時か、5時か、目覚めてウトウト過ごし、そう、迂闊なことに窓もなかったんだよなぁ。タイでは「窓なし部屋」は結構多く、ついつい、ねぇ。エアコンの有無が部屋代に占める割合が最も高く、ファンだけの部屋もある。シャワーは温水が出れば当然部屋代に跳ね返ってくる。バックパッカーのメッカ・カオサン通りでは、畳1枚分のスペース(1拍100THB)から1つづつ積み上げていく方式(シャワー、トイレなとは共有)だ。若い肉体ならそれもいいだろうが、もはや古希を過ぎ、大きな病を抱える身にはねぇ、はぁぁ。
実は、3日ほど前から血痰は見られなくなり、1日3回の咳と痰の薬は昼の分を忘れるようになって・・・、このあたりで缶ビールでも煽ってみたくなってきている。恐る恐るだが、さて、はて、その先に夢想されるのは、とてつもなく淫らな世界なのだが・・・。あぁぁ~~ん。

2016/04/24

◎プーケット 転地サプリに 迷走か

にしても、この歳になって言うのも照れるが、この世もまだ捨てたもんじゃないよなぁと込み上げるものを感じた(プーケットに立つ前に書きかけていた、その続き・・・)。
この世から勝手に足を踏み外し、外道を気取った古孤老73歳にとっては俄かには信じられない肺ガン余話である・・・「医の倫理は延命なり」の価値観がひっくり返った。
プーケット行きを前にして、いまいち盛り上がらないのはひとえに肺ガン、そしてそれに付随する体調と体調の維持管理。最も懸念されるのは咳き込みで、そうなったらどうするか、だ。就寝時、細かい咳き込みで、なかなか寝付けない夜が続いた。こりゃ、ヤバイよなぁと梅屋敷商店街を北へ歩き、東邦医大通りに曲がったら直ぐの所に「心療内科」の看板を見つけたのだ。電柱の看板などは注視しているが、「心療内科」を見るのは初めてだ。受付してもらおうとしたら、初診は「要予約」だそうだ。まぁ、いいでしょう。2、3度は殊勝に診察を受けて、最後は大声で恫喝気味に「モルヒネでも処方できんのか!」といえばいいかなと安易に考えていたのだが・・・。
診察した医師には問わず語りに肺ガン宣言の経緯を素直に洗い浚い話した、続けて、軽い咳き込みが続いて夜眠れないんですよね、と縋るようにおねだりしてみたのだが、その医師は即座に「朝まで起きているしかないですね」。けんもほろろ、参った、ね。そして「こんな症状では診断できません、ねぇ。呼吸器専門の東邦医大の先生が近所で開業していますので、紹介状を書きますので、行ってみてください」。
呼吸器の専門医はひと通り話を聞いた後、念のため、肺のレントゲン写真を撮ってみましようと、その写真を見ながら、「右の肺はまだ大丈夫のよう。お手伝いしましょう」「宣告を受けてから1年ですかね」と淡々と告げた。
そこで処方された1週間分の咳止めと痰除去の薬、これが効くんだよなぁ。驚いた。こんなことってあるのか。「治療」の道を自ら閉ざしたとはいえ、その先にどんな選択肢が用意されていたのか、抗がん剤と放射線治療を拒否したらその先にはもう何もないのか。これはやはり浅学菲才、無知によるものと諦めるしかないのか。
羽田からプーケットに飛ぶ日(翌日未明)、呼吸器科の医師を訪ね、プーケット行きを明かし、1か月分の薬を処方していただいた。「貯金を全部使ってくるつもりじゃないでしょうね」と、医師は軽い笑みをこぼした。

2016/04/23

◎この体 この病おし 何欲しい

にしても、プーケット・カタビーチの宿に無事到着、荷解きも致しました。いや、さすが、疲れた。ただ、もう、爆睡・・・。
一夜明けて、ホテルに併設のレストランで「モーニングサービス」、じっくり時間をかけて、たいして旨くもないのだが、慎重に完食した。写真で御覧の通りで150BHT(480円)。東京五輪に向けて、あれこれ知恵を絞っているようだが・・・。
また、せっかくだからとビーチまで歩き、古びた洗濯板に灼熱の太陽を浴びると、骨の髄から蕩け落ちそう。直ぐに呼吸が苦しくなって、木陰に避難してゼーゼー軽く喘いだのでした。

まっ、今回のカタビーチ、何が残念、口惜しいかといえば、ビジネスクラスの旅(タイ国際航空ではロイヤルシルククラスと呼ぶ)を満喫どころか、そのサービスを目の前にして一切手を出さなかった、出せなかったことだ。一方的な拒絶反応で、返す返すも残念だ。それも、已む無しの体か。この病、外目にはさほどの大事には見えないが、本人にとって最も厄介なのが「誤嚥」だ。食べたり飲んだりしようとしたときに,飲食物が誤って食道ではなく気管に入ってしまう こと。飲み込む力が弱かったり,飲み込む神経の働きが悪かったりすると 起こりやすく、飲食物が気管に入ると激しくむせ、嘔吐につながる。ぶっちゃけた惨状の凄まじさが病状以上に心理的影響が大きい。で、その端緒が予期できないのか困る。洗面所の位置を把握した自室ならいざ知らず、空港ラウンジや機中では想定するだに恐怖だ。その結論はカメの危機管理術の真理、何もしない・・・だ。お陰で、何事もなく宿まで到達できたが、この間、口にしたものといえば、ミネラルウオーター、それも慎重に慎重に何回にも分けて、完全に飲み込んだ。「誤嚥」のトラウマはこれからもついて回るだけに何よりの脅威だ。

2016/04/09

◎向こう脛 転び擦り剥き ガン忘れ


にしても、10日後にはプーケットに飛ぶというのに、いまいち気分が盛り上がらない。珍しく些細な懸念事項が脳裏に浮かび、つい気になるのだ。
1つは、2万3000円でゲットしたacerの最新ノートパソコン。何とも相性が悪い。プーケットで使うつもりでソフトをダウンロードしたり、あれこれ`整備`していたのだが、Windowsのアップデートを何度か繰り返していたら、容量オーバーの警告表示が出て、その都度SDカードなどに移していたのだが、こちらの我慢の限度があって、ねぇ。もう付き合っていられないよと、川崎のソフマップに持ち込み買い取りを依頼したところ1万2000円。雑談で聞いたら、いまどきのモバイルPCはクラウドを多用して、記憶領域を狭くしているとか。で、個人認証に最先端のマイナンバーカードを提示したところ、何とアウト。買い取りには使えないとのことで、翌日、健康保険証を持参して1万2000円を手にする有様。何とも情けない。その際、ビックカメラ店頭でスーツケースのお買得情報、46Lタイプ(3.3kg)で5980円(税込み6458円)には目を奪われた。いま使っているのより一回り大きいけれど、「機内持ち込み可能」とあって、まさに衝動買い。やっとプーケット気分が少し盛り上がったのでした。

もう1つは、左足脛の擦過傷。2週間ほど前の夕食時、軽い吐き気に少々慌てて洗面所に走り、バランスを失いドアの仕切り板に強く倒れ込んだのだ。左足脛には長さ15cmほど、右手首に軽い擦過傷。いずれも消毒液をたっぷり使い、あとはオロナイン軟膏を摺り込み、ガーゼを当て貼り付けたのだが・・・。手首の傷は2日ほどで治ったものの脛の傷は存外に深かったようで、なかなか快方に向かわない。さすがに月が替わっては、医者にいかざぁなるまい。テラマイシン軟膏の貼付と抗生物質の服用を続けて、今日9日、やっと、軟膏の貼付が終わり、月曜日にはガーゼが取れる見通しになって、ほっとしたところ。で、一句浮かんだ。

向こう脛 転び擦り剥き ガン忘れ

そう、ソメイヨシノはつかの間の晴れ間に自転車で一回りして、デジカメに収めた▲

2016/04/03

◎ガンだとて 闇に隠れりゃ 加齢です

にしても、タラレバは詮無き事なれど、愚痴の一つも聞いて欲しくなった。何って、言わずもがなの肺ガン、きっかけは、カラオケのマイクを握り過ぎて、声が掠れたことだ。あれから7ヵ月、その間、あれこれ検査、検査で死の淵まで覗かされて、挙句、手術はもうできない、残る治療法は放射線と抗がん剤と提示されそれを断ったら、それまで・・・。あとは、サプリメントを中心に、Netで見つけた民間療法の幾つかを試したものの、変化なし。
いまの体調を報告すると、声枯れは変わらず、時たま血痰、咳き込み、立ち眩み、呑み込み不調・・・といったところか。血痰は生々しいが、他の症状は、それまでも 時折表れていた。
声枯れで最初に尋ねた耳鼻咽喉科の若い医師が鼻から管を差し込んで覗いた結果は「放っといても治るかもしれないし、検査によってはもっと怖いものが隠れているかもしれない」。そして、CD-ROMの画像を見たら、「肺に影、私の専門外。専門医を紹介します」。検査機器の性能がアップしているからだろう、一事が万事、検査、検査。で死の淵まで案内して、いまある治療法と成功率を示しながら、「さて、どうします?」と決断は患者に委ね、自己責任ですよと念を押してくるのだ。
昔ながらの阿吽の呼吸でいいんじゃないかと思う。情報開示だとか法令順守なんて糞くらえだ。声枯れから7ヵ月経ったわけで、この間、CD-ROMなどの検査がなければ、暗闇に包まれたままで、あれこれ対症療法にうつつを抜かしていたのではないか。咳き込みなどの体調不良だって、気にすることもないだろう。先日、近所のBOOK-OFFでゲットしたシルバー川柳(ポプラ社刊)にこんな句があった。
3時間 待って病名 「加齢です」

2016/03/21

◎邦画界 ガンだったのか 野垂れ死に

にしても、先日、yahooニュースに「73歳H・フォード再びインディ」とあり、首を捻った。73歳はカメの歳やし、Hとくれば、何となく気になって、クリックしてみたところ、こうだ。
『インディ・ジョーンズ』第5弾は2019年公開!ハリソン・フォードが再びインディ役
参ったねぇ。何のこっちゃ。見事にはぐらかされた。もはや、門外漢のようだ。というか、今の世の中から完全に弾かれている、脱落している、社会から落ちこぼれていると感じた。
昨日、同じような体験をした。BSで再放送された藤山直美主演の映画「顔」(2000年)で、録画して、夜じっくり視聴した。藤山直美主演に興味があった。番宣によるあらすじはこうだ。
クリーニング店を営む母親を手伝う冴えない40過ぎの女性。家にとじこもりっきりで、恋人はおろか友人さえもいない。そんなある日、母親が急死してしまう。通夜の晩、ホステスをしている妹がいつものようにきつい言葉を彼女にぶつける。カッとなった彼女は妹を殺してしまう。彼女はその場から逃げ出し、初めて外の世界へ出た彼女の逃亡生活が始まった・・・。監督は阪本順治、藤山以外の出演者は豊川悦司、牧瀬里穂、大楠道代、中村勘三郎(勘九郎)、國村隼、岸部一徳、佐藤浩市、内田春菊・・・。
暗い画面が続き、話も暗く、メリハリもなく、何ともつまらない展開。「何なんだ!!! 何をどうしたいのか、さっぱり見当もつかぬ」と腹立たしくなり、視聴を中止しようかとも思った。それでも、藤山直美の存在感に引っ張られ最後まで視聴してしまったのだが、彼女が浮き輪をして泳いでいるラストシーンにいたっては、「ええ加減にしてくれ、よ。これで終わりかよ」と独りごちていた。一方で「これだけの顔ぶれを揃えたら、かなりな作品が作れると思うのだが…。映画界、才能が枯渇してしまったんだろうなぁ」とも。
気になって、今日はNetでレビューなどをチェックしてみたが、2000年度の日本映画では作品賞; 監督賞; 主演女優賞など賞は総なめにしていて、レビューの評価も高いのだが、カメとしては違和感を禁じられず、もはや世間様と同じ空気を吸って吐いている気がしない、と改めて思い知らされた。


2016/03/14

◎プーケット 転地もサプリ ビジネスや

にしても、先週初め、ちょっと春めいた日、夢現の中、気が付いたらタイ・プーケットのホテルを予約していた。4月21日から5日間、いつものバトンビーチの南、より欧米色の強いカタビーチ、磯遊びができそうな地形に惹かれた。1泊600THB、部屋の広さは40㎡で、何とバスタブ付き。日本円で2000円しないんだから、驚きだ。これなら、5日分で1万円足らず、後でキャンセルしてもいいかと、夢幻状態だったのだが・・・。ノートパソコンを抱えたまま、夜になったら、迷わずHISにアクセスして、プーケットまでの往復航空券を検索していた。それも、迷わずビジネスクラスだ。クレジットカードを使えば、ホテルの予約も航空券の予約も一発即決、簡単この上ない。
正規割引航空券 タイ国際航空=ビジネスクラス=23万余円
往路  TG661   2016/04/21  00:20 羽田空港発
復路  TG682    2016/05/22  06:55 羽田空港着


イノチの残り時間はあと僅か。来年の正月を迎えられるか・・・など、考えたら切りがないし、詮無いから、確かに考えていない。日々の体調に怯えつつ、疲れないように務め、ゆっくりゆっくり息をして、対症療法に明け暮れているわけで、プーケットもいわば転地療法になることは間違いない。特に、気温が30℃近くで安定しているのが魅力だ。冬場の日本では空気の寒暖差が器官に響き、辛い咳き込みに見舞われる。で、冬場に出かけるのが最も望ましいことは承知の助なのだが、人気のリゾート地はハイシーズンとあって、貧困老人は二の足、三の足を踏むしかない。
肺がん宣告を振り返ってみると、きっかけとなった声の掠れから各種検査の結果、肺がんが確定。次の抗がん剤と放射線治療を断って、病院との縁は切れたのだが、この間医師処方の咳止め薬を服用し続けただけで、他には何もしていない。あとは、素人の民間療法のあれこれにトライしつつ、市販の医薬品(喉、鼻)を時々使っているのだが・・・。体の現状をチェックすると、声の掠れの他は、疲れやすい、呼吸不全、咳き込み、血痰時々、といったところか。